【前回のお話は下記リンクからどうぞ】











【前回のあらすじ】


約1週間後には、私の高校時代からの友人による結婚式が予定されていた。

場所は私の居住地からは遠方の大阪。


招待状が届く前に挙式することを知った私は、夫に御祝儀を包むこと、交通費がかかること、場所が大阪であることを伝えた上で、参列しても良いか聞いた。

夫からの返事は「OK」だった。


しかし、結婚式前日の朝に夫へ結婚式出席に伴う費用をもらおうと話をしたら、

夫は「そんな話聞いていない」と言い、私は感情を抑えることができず、そのまま口論へと発展した。


夫は口論の中で話の主旨を変え、次々と私への暴言を吐いた。










夫の一方的な暴言が続いてる時、1番上の子供は私の父母の家に行き、母とゆっくり過ごしていた。



1番下の生後半年を迎えた子供は、ラックの上で静かに眠っていた。




そして1歳半過ぎの真ん中の子供は、どんどん大きく激しくなる夫の怒鳴り声に、何事かと思ったのか遊んでいた部屋からリビングの方へ様子を見に来ていた。








夫と口論となった私は朝ごはんを準備していた手を止め、

夫の暴言を少しでも聞かないよう、シンクの前で座り込んでいた。


その間も夫は暴言を吐いていた。











もう何も望まない。




もう何も求めたりしない。





あと約5ヶ月、静かに過ごしていけばいい。


そうしたら、この人と離れられる。








言い返すこともやめ、ただただ夫の暴言を聞き続けていた。






俯き、下を見ていた目線の先


ふと夫の足が見えた。






あ。目の前に来たんだ。





そう思うと同時に、夫が





「そうやって無言で、


被害者面してんのが気に食わねぇんだよ!!!!!!!






そう夫が言ったと同時に私は首を掴まれ


シンクの前から窓際の方まで、


座った状態のままの私は、約2〜3メートル引きずられた。






その瞬間、いつの間にか私の横に立っていた子供


高い声で叫びながら、


夫と私の間に走ってきた。







子供は私を守るように


私を背にして夫の前に立ちはだかった。






私は夫の突然な行動

子供が私を守ってくれた安心感とで

目から涙が溢れて止まらなかった。







突然の出来事に号泣する私と、


少したじろいだ様子の夫。



子供は何も言わず、ただ私の目の前に立っていた。





夫は子供の行動にバツが悪く感じたのか、そのまま仕事に行く準備を始め、リビングから出て行った。



夫がその場から立ち去った後、子供に抱き締められ、私は思い立った。





5ヶ月耐え忍ぶなんて、無理だ。


2歳前とは言え、子供の目の前で暴力的なことをする夫とはこれ以上一緒にいられない。





私は自身の生命の危機を感じただけでなく、

父親が母親に暴力をする”という環境が子供の精神衛生上良くないと思い、



私はこの家から、


夫の目の前から離れることを決めた。






私は私の母に「SOS」メッセージを送り、この場に来てもらうことにした。


母がいて、夫の感情が少し落ち着いた状態であれば、さっきみたいな暴力的なことはしないだろう。





私は守ってくれた子供を抱き締め、背中をトントンした。



小声で


「ありがとう。ありがとう。もう大丈夫だよ。」



と涙ながらに伝えた。




子供は、私の背中を小さな手でトントンした。


私はまたそれに泣いてしまった。