【前回のお話は下記リンクからどうぞ】










【前回のあらすじ】


探偵社と調査日までに準備しておくことを入念に確認し、調査決行できるよう段取りを進めた。


夫の顔写真や鞄の商品画像を調査員に送り、背格好や見た目のイメージも伝えた。


調査日のための準備は着々と進んだ。

調査決行の「GO」のタイミングは、私自身で行う。


あとは夫が帰ってこないと思う日に、調査決行するよう伝えるだけだった。








探偵社と契約した3日後、夫は家に帰ってきた。


ここ数日帰らなかったことを悪いと思っている様子もなく

連絡もなしで何食わぬ顔で子供たちが寝静まった後に帰ってきた。





「今日は帰ってきたんだ。夜ご飯出すね。」


私はなるべく普段通り対応するよう心掛けた。





普段通りと言っても、つい一週間前に夫から離婚宣言をされたばかり。


それに対する謝罪もなければ、離婚の話を進めようとする素振りもない。





もしも夫から離婚する意思がなくなっていたとしても、

夫に言われた「女として見られない」という言葉が胸に刺さったままの状態。


子供たちに嘘をつき、職場で新しい女を作っていたとしたら、許せるものではないかもしれない。





そんなことを考えながら、夫の好物の味噌汁を作る。





ご飯を配膳した後、夫は「やっぱりのお前の作る味噌汁はうまいな〜」

そう呑気なことを言い、黙々とご飯を食べ進めていた。





この日の夫は、ご飯を食べた後いつも通りお風呂に入り、いつの間にかリビングのソファで寝ていた。



翌朝、出勤する前に数日分の生活費を渡し、いつものように出勤していった。









ここ最近は、一度家に帰ってきたら翌日は帰ってこない。



チャンスだ。



そう思い、調査員さんへすぐに連絡した。




「明日は夫は家に帰ってこないと思います。調査は明日行ってください。よろしくお願いいたします。」


メッセージアプリでそう入れると、すぐに返答があり

「承知いたしました。それでは明日18時半ごろより調査開始いたします。」



探偵社との連携がうまく取れ、スムーズにことが運びそうな気がした。





あと私にできることは、

調査員さんが無事に証拠となる瞬間を抑えてくれるのと、

夫が家に帰宅せずに不倫相手の家もしくはホテルに行くことを願うばかりだった。









翌日18時半過ぎ。

調査員さんからメッセージが届いた。



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間もなく開始時間となりますので、宜しくお願い致します。

  調査員




この時、私はスマホを肌に離さず持っていた。

調査員さんからのメッセージばかり追っていると、気が気ではなかったので
気を紛らわせようと、テレビをつけたり好きな音楽を流していたりしたが
やっぱり気になってしまい、調査員さんからの次のメッセージを待っていた。



初めのメッセージが来てから約30分後、次のメッセージが届いた。




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定刻より開始させていただきました。先に勤務先から出た方を追いかけます!



先に勤務先から出た方、というのは同じ会社に勤めている不倫相手女性のこと。


夫が先に出たら夫を、不倫相手女性が出たら不倫相手を尾行してもらう計画だ。




その後、約15分ほどで次のメッセージが届いた。




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ご主人が〇〇(職場)から出ましたので追尾しています。
もう一方の監視を解除し、ご主人の追尾チームの方に合流致します。



「もう一方」というのは、可能性として考えられるもう一店舗の方。

二箇所で張り込みをしていただいていたので、不要になった方の監視は解除となった。






その後も夫の追跡を行ってもらい、
私はただ成功を祈っていた。