京都盲唖院・盲学校・視覚障害・点字の歴史

京都盲唖院・盲学校・視覚障害・点字の歴史

視覚障害教育の歴史を研究しています。京都盲唖院、古河太四郎、遠山憲美、鳥居嘉三郎、石川倉次、好本督、鳥居篤治郎、小野兼次郎、斎藤百合、エロシェンコ、楽善会、雨宮中平、点字

 「足利 天国の近代化遺産 黎明の篤き志と気概」イラスト展が開かれます。

 私立足利盲学校竣工時の校舎、県立盲学校時代の校舎、澤田治療院・住宅も鮮やかな色合いで再現されています。(羽山弘一氏の作品集を送っていただきました。感謝!)

 なお、足利盲学校の創立者で、点字投票実現運動に尽力し、テーブルテニス(盲人卓球)を考案し、戦後の進駐軍による鍼灸禁止の動きを押し返した先達、澤田政好先生顕彰碑の建立計画も起こっています。微力ながら支援します。

 

 

 

♪ 新しく出ます。『人権としての特別支援教育』(文理閣 2月・中下旬予定)230ページ・税込み2000円【写真は、表紙】

 藤本文朗・小野川文子監修 小畑耕作・近藤真理子・宮本郷子編著

 各論のうち「視覚障害」の項を書かせていただきました。大学の教科書として活用しうる入門性と、特別支援教育の現在・未来を問い直す先進性を企図した編集になっています。

 本書の特徴として、特別支援教育総論、障害別各論の他、寄宿舎 保育所 特別支援学級 通常学級 定時制 広域通信制高校、支援員 大学での支援 家族・きょうだい論 スウェーデンのインクルーシブ教育 ベトナムの障害児教育などなど コアカリキュラムにないトピックも編まれています。

 現時点では、文理閣のサイトにもアマゾンなどにもリストアップされていないようです。

 先週4月21日(水曜)の京都新聞朝刊の1面と22面を当てて、ケラーの声のこと、ケラーと交歓した人達のことが詳しく報じられました。(取材に協力しました。)

  京都新聞社に申請し、私が本ブログに掲載することについて1年間を限りになどの条件つきで承諾を得ることができましたので、以下に同記事のjpegファイルをアップいたします。同社の著作権を侵すような扱いをなさらないようお願いします。紙面に掲載されている写真の利用については、各提供元の承諾も必要です。

  なお、同22日にも続報が掲載されていることをご紹介しておきます。

 テープの内容については、ヘレン・ケラーの著作権との関係で、コピー配布は困難であり、ご希望をいただいても対応できません。

 

 

 

 日本点字委員会により<日本の点字制定130周年特集号>。

 昨年11月1日に催された企画の採録として、福島智さんと私の講演(全文)も載っています。青松利明さんの「視覚障害者のための点字からみんなのための点字へ」や木下知威さんの「点字が点字になるために」などなど、興味深い作品ぎっしり満載です。

 

 



 粟津キヨさんの『光に向って咲け』を読んでいます。斎藤百合を描いた岩波新書です。

 その27ページに、斉藤百合の育った時代を象徴するものとして<大正の中ごろまで使われていた小学校の教科書>に「身にしむような北風の、吹く夕暮れにあね、いもと」という文句で始まる歌がのっていた。 
 悪いこどもがおおぜいで
 わたしの杖をもぎとって
 放った音はしましたが
 悲しいことに目がみえず
 探すことさえできません」  と。

 この歌が載っているという教科書を探しています。歌の冒頭は、「身を切るような北風の」かもしれません。ネット上には、そう書かれています。親切な姉が、杖を奪われた妹を助けるというお話なのですが、当時の社会風潮の一端を感じさせます。
 おそらく尋常小学読本の類なのでしょうが。。。

【写真は、要チェック箇所に付箋を貼った『光に向って咲け』表紙】

佐々木住職と京都民報社に感謝申し上げます。( ↓ 記事の写真と、本文の転記)

書評 『盲教育史の手ざわり 「人間の尊厳」を求めて』著・岸博実 【京都民報社発行『京都民報』第2971号 2021年2月28日付 掲載】

 2018年に、京都盲唖院関係資料が大学以外の学校関係では初めて、国の重要文化財に指定されたのは記憶に新しいところです。  

 著者の岸博実氏は、1974年から京都府立盲学校に勤務され、現在も引き続き講師として在籍しながら、この盲学校資料室の資料の研究に携わってこられました。

 その研究は、日本における盲教育の歴史全般に広がっています。本書は2011年から2019年まで「点字毎日」に連載された文章に加筆・修正されて出版されました。全体は、「凸字から点字へ」、「盲教育の開拓者たち」など10章からなり、それぞれに10数編のエピソードが描かれます。

 主には、明治以来の先人たちが苦労して作り上げた盲教育の歴史や、全国各地の視覚障害者の権利保障の運動に尽くした人々の話などが中心ですが、決して堅苦しい内容ではなく、著者の実体験や感想も含めた親しみやすい文章となっています。出てくる固有名詞は、人名だけでも400名近くにのぼりますが、両面見開きに一つのエピソードという形式で図版も配され、大変読みやすくなっています。   

 個人的には、評者も在職した京都府立盲学校関係の開校当初のエピソードや、「スクール人力車」、「盲人野球」の項にも興味を覚えました。著者自身が13年に国際パリセミナーで発表された「近代日本では当初から、盲学校を福祉政策ではなく教育機関として位置付けて発展させてきた」ことに、海外から驚きの声が聞こえたことなども新鮮に読ませていただきました。

 最後の「いのちと安全」の章にある「単に年代やできごとを覚えるだけでは歴史を学んだことになりません。かけがえのない命を守り、輝かせるために史実から何を学ぶかが大切です。」という言葉に、著者の歴史を研究する姿勢、そして本の副題『「人間の尊厳」を求めて』につながる視点が集約されているように思いました。盲教育に限らず、障害者運動関係者必読の書です。  

 (佐々木正祥・社会福祉法人アイアイハウス理事長、大善院住職)

写真の説明はありません。

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♪ 点字毎日活字版2021年2月4日付10面 「図書室」に

 拙著『盲教育史の手ざわり 「人間の尊厳」を求めて』を取り上げ、紹介してくださいました。

  (記事の使用申請をし、私がブログに掲出することに限って、毎日新聞社知的財産ビジネス本部の許諾を得ています。切り抜き写真+テキストデータ)

 

  図書室 盲教育史の手ざわり 「人間の尊厳」を求めて

                                          【岸博実著、墨字】
 2011年~19年まで点毎で連載した「歴史の手ざわり・もっと!」を加筆して編集した1冊。全100回の連載を、「凸字から点字へ」「京都盲唖院の形成」「盲教育の実相」「各地の盲学校」「運動・組織・媒体」「盲教育の開拓者たち」「世界から/世界へ」「盲史の手ざわり」「いのちと安全」の10項目に分類した。サブタイトルに「人間の尊厳」取り入れたのは、視覚障害教育史を形作ったそれぞれの時代に、社会参加を目指して懸命に生き抜いてきた視覚障害者から感じられる熱気のキーワードと捉えたため。引き続き「人間の尊厳」求めながら、「共に生きる」未来につなげてほしいとの願いが込められている。表紙カバーに、点字でタイトルと著者名あり。253ページ。税別2800円。小さ子社(075・708・6834)。巻末に、テキストデータ引換券付き。点字データは福岡点字図書館、音声・テキストデイジーは京都ライトハウス情報ステーションが製作中。