『鈴木泰助歌集おと』のこと | 京都盲唖院・盲学校・視覚障害・点字の歴史

京都盲唖院・盲学校・視覚障害・点字の歴史

視覚障害教育の歴史を研究しています。京都盲唖院、古河太四郎、遠山憲美、鳥居嘉三郎、石川倉次、好本督、鳥居篤治郎、小野兼次郎、斎藤百合、エロシェンコ、楽善会、雨宮中平、点字

『鈴木泰助歌集おと』(みちのく豆本1979年)8㎝×12㎝  

 51頁 アンカット版(ペーパーナイフ添え)

 作者は1911年山形県に生まれ、1937年、句集発表。1938年、結婚。1939年、目を患い新潟病院に入院、治療するも翌年失明、『詩のデッサン』を上板する。1941年逝去、35歳。

 馬車馬の地響きたててながながと尿するきけばこころなごみぬ

 樋の水柄杓にくめば音しばし弱くなりつつ朝日もれきぬ

 外に出でて顔にかかりし蜘蛛の巣に昨日の雨を知りにけるかも

 あわわして蛍を呼べと幼きがわが口のへにやはき掌を寄す

 かたはらに吾子が持ちたる杏の実食らふによろし熟れし匂ひす