先生と呼んだ職員さん | さんきちの日々ファイル

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ごくごく普通の日常です。

臨時職員(現在の会計年度任用職員)

に採用された配属初日は、

簡単なパンフを渡されただけ。これで勉強してねで終わり。

研修は?教育は?何もないんかーい!

途方に暮れていると、2日目からは「はい、窓口出て」と言われ・・・

窓口に出ると、お客様が何を言われているのかさっぱりわからない。

 

まずは申請書。限度額認定証や、保険証の再交付などなど

いろいろと申請書がありますが、記入例がどこにも置いていない!

 

ここはこうでいいの?

間違えたら二重線引いて書き直していいの?

訂正印いるの?

申請者と来庁者の関係ってどう記入するの?

 

冬井さんの席に行って

「冬井さん!ちょっといいですか?」

一応お伺いして質問する。

「申請書の記入、これでいいですか?」

「はい・・・あ、日付が空欄になっていますよ」

あたふたする私の声は大きくて、

冬井さんの声は小さくか細い。

 

「あ、ほんまや!」

バタバタと窓口に戻り、お客様に記入のお願いをする私。

そんな私ではありましたが、冬井さんはけして

嫌な顔せず、イラつきもせず、淡々と指示してくれました。

 

入庁2年目(大卒)ったら、若いよ。

私の息子と言ってもいいくらいの若さだよ。

なのにこの落ち着きようは・・・。

 

さっすが、難しい試験を突破して選ばれた人(頭の良い人)は違うなぁ。

なんて、謎の解釈をしてしまった。

 

質問を繰り返す日々が続き、やがて私は

冬井さんのことを「冬井先生」と呼ぶようになった(笑)

 

そうそう、申請書の記入例は・・・

後期高齢者医療制度についてググったら、

広域連合のホームページにあったので、ひたすらプリントアウト

したのでなんとかなりました。

 

そうか!インターネットで勉強すりゃーいいじゃん!

てなわけで、家に帰って一通り家事を終えたら、

パソコンに向かう日々が続きました。

しかし、それでもわからないことはあります。

 

わからない、知らないは一時の恥。

それをそのままにしていたら一生の恥。

だから私は臆することなく質問しまくりました。

 

ある時、冬井先生に逆質問されました。

「さんきちさんは、僕のことを先生と呼ぶけど・・・

父のことご存じなんですか?」

「は?冬井さんのお父さん?いや、全然・・・」

「そうなんですか。僕のこと先生って呼ぶからてっきり」

聞けば冬井さんのお父さんは高校の先生だったそうな。

偶然とはいえ、先生の素質を(どんな素質だ?)感じていたのだろうか?

 

やがて市のトップ政権が交代し、

冬井さんに「教育長の息子」という肩書?がつくのは

それからウン年後のことでした。