『水の柩』 道尾秀介 | 鈴と空のブログ

鈴と空のブログ

読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

水の柩/道尾 秀介
¥1,575
Amazon.co.jp


私たちがあの場所に沈めたものは、いったい何だったのだろう。
五十数年前、湖の底に消えた村。

少年が知らない、少女の決意と家族の秘密。
誰もが生きていくため、必死に「嘘」をついている。

いま最もまぶしい作家が描く、成長と再生の物語。

老舗旅館の長男、中学校二年生の逸夫は、

自分が“普通”で退屈なことを嘆いていた。
同級生の敦子は両親が離婚、級友からいじめを受け、

誰より“普通”を欲していた。
文化祭をきっかけに、二人は言葉を交わすようになる。
「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」
敦子の頼みが、逸夫の世界を急に色付け始める。
だが、少女には秘めた決意があった。
逸夫の家族が抱える、湖に沈んだ秘密とは。
大切な人たちの中で、少年には何ができるのか。
絶望と希望を照らす作家・道尾秀介がおくる、心に染みる人間ドラマ!
――――― Amazonより


個人的評価 : ★★★☆☆


面白くないわけじゃないんだけど、なかなかに手こずった。
苦くて、痛くて。


特に敦子が。
今になって考えれば敦子ほど過酷な状況ではなかったものの、
元いじめられっ子としては
「生きていることも死ぬこともできない」というのが。
似たようなことを考えていたことがあるだけに、しんどくて。


逸夫の祖母の過去、吐き通してきた嘘、それが発覚してからの姿
なんてものも相当に苦いし。


ああいう展開、ああいう終わりで良かったかな。
ああでなければ、敦子の「嘘」が逸夫に負わせるものが
あまりに残酷すぎる気がしちゃって。