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家族とは、愛とは、赦しとは……。
過去の事件を現代の視点から追う、迫真のサスペンス!
あの夏、わたしは希望をもらった。
両親の離婚後、母と弟の3人で暮らす小学6年の杉原美緒。
無理をしてきた母はアルコールに依存し、
入退院を繰り返すようになってしまった。
弟とともに母の従妹の薫に引き取られた美緒は、
ますます内にこもっていく。
そんな折、薫が経営する喫茶店の常連で
元検事という初老の男と知り合いになる。
美緒は徐々に心を開いていくのだが、彼は過去に娘を誘拐され、
その事件は未だ解決されていないことを知る。
数年後、成長した美緒は
何かに背中を押されたかのように未解決の誘拐事件を探りはじめ、
その裏に複雑な人間関係と驚愕の事実が隠されていたことを突き止める――。
深い喪失感を抱いた少女と男。
世代を超えた二人が出会い、別れ、そしてある事実を知る――。
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
美緒が抱えさせられたものはあまりにもヘビーでしんどい。
同じく充が押し付けられたものも。
ネタバレにならないようにと思うからあまり触れられないけど、
両親が過去にしたこと、それ以来ずっとしてきたことはあまりに酷い。
両親からのそんな重荷に加えて、美緒には学校にも味方はいなくて。
そんな厳しい環境の中にあっての救いは
同じく辛い、重いものを抱えたケンジさんや
全てを受け入れて守ろうとしてくれる薫さんか。
美緒が赦せる日は来るんだろうか。
ケンジさんや充は本当に赦せたんだろうか。
誘拐事件に関しては、正直少々馴染まなかった気がしてしまった。
事件の真相がああだったことで、
ケンジさんの傷はますます深く大きくなるわけで
そのためにあの真相も必要だったんだろうけど、何だか。