- 転迷―隠蔽捜査〈4〉/今野 敏
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相次いで変死した二人の外務官僚。
捜査をめぐる他省庁とのトラブル。
そして娘を襲ったアクシデント…。
大森署署長・竜崎伸也に降りかかる難問の連鎖、
やがて浮かび上がった驚愕の構図。
すべては竜崎の手腕に委ねられた!
極限の緊迫感がみなぎる超本格警察小説シリーズ最強の新作。
――――― 「BOOK」データベースより
個人的評価 : ★★★★☆
事件がどうだとか、ストーリーがどうだとか言うよりも、
何たって竜崎が、
その竜崎と伊丹や部下たちや家族とのやり取りが好きだ。
言うこともやることも尤もなことばかりなんだけど、
多くの人は自分の立場やら周りとの関係やらを考えて
その尤もなことが言えない(できない)わけで。
それを「何を悩む」と易々と言って(やって)のけて
かと言ってそう(竜崎のようにできない)他者を
切り捨てるでも馬鹿にするでもなく。
そんな竜崎の言動に
思わずニンマリしたり、クスッとしたり、頷かされたりと。
頻繁に出てくるそのニンマリやらが原因なのか、
上に引用した「極限の緊迫感」はあまり私は感じなかったけど。
最後に掛かってきた電話にしたって。
相手はきっとそれなりに色々と考えたり反省したり、
それなりに覚悟して(というか気合を入れてというか)掛けてきたんだろうに。
「何の用だったんだ」なんて。
やっぱり最後まで思わずニンマリ。
今回は外務省に麻取(厚労省)まで巻き込んでの事件ということで。
こうやって竜崎の噂(評判)が組織を超えて広がっていくんだな。
竜崎の居場所はどうなるんだ、今後は。
でもまぁ、どこに居たって竜崎という人は変わらないだろうから
違う立場での活躍を読んでみたい気も少し。