『劫尽童女』 恩田陸 | 鈴と空のブログ

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劫尽童女/恩田 陸
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この世のものならぬ真実。
我々の持ち得ぬ叡智。

  ――この少女は人間なのか?
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆

多少4つ寄りの3つ。


一番印象に残ったのは「残酷さ」だろうか。


あの子の人生があまりにも。
本人の責任のないところで背負わされたものが
彼女に人を殺させるし、自身も危ない目にあわせるし
親のしたことの報いをあの歳で代わりに負わされるし。


少々棘のある言い方になるかもしれないけど、
父親はいいよな。

娘と志を遺して死んだとは言え、
自分の思う研究をして実験をしてそれなりに成果を挙げて
過酷な運命に放り出した娘に看取られて死んだんだから。


母親は凄惨な拷問の果てに自爆したとは言え、
それでも自分で決めたことだと考えれば。
娘はその母親の悲鳴や骨が折られる音を聞きながら
挙句その最期を見なければいけなかったわけで。


最後のあのシーンは少しでも救いだと思っていいんだろうか。


トオルの件は何だか唐突な感じがしたというか、
少々馴染まないまま浮いてる気もしてしまったんだけど、
それも父親のしたことの結果としての残酷さの一つか。


とにかく、何だかぐったり。