- ペトロバクテリアを追え!/高嶋 哲夫
- ¥1,601
- Amazon.co.jp
奇跡の石油生成菌!
アラブ、アメリカ、そして日本が動く。
陰謀が恐怖に感染する!
新世紀本格バイオ・ミステリー!
日本の天才科学者と
彼が培養に成功した石油生成バクテリアをめぐって、
掠奪・爆破・拉致・殺害の指令が乱れ飛ぶ!
やがて戦慄すべきバクテリアの真の姿が明らかに……。
科学者である前に人間としてどう生きるべきか――
読む者の胸を熱くするヒューマン・エンターテインメント。
「サントリーミステリー大賞・読者賞」ダブル受賞作家がおくる
21世紀の知的冒険小説第1弾。
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
石油をあれだけの質と量で生成できるバクテリアというのが
現実的な話なのかどうかはわからない。
ただ、石油という世界規模のとんでもない利益が絡むと、
人の生命とか安全が
あまりにも簡単にあっさりと軽んじられるだとか
そういう部分は「まるでリアリティがない」だとは思えなくて。
外に情報を漏らしているスパイが誰なのか、というのも
最初は気になるんだけど段々どうでもよくなっちゃった。
それ以外のことが気になって、そちらに惹き込まれるので。
山之内は自分たちの研究結果がもたらしたものと
どう決着をつけるつもりなのか、
それが実際にどういう結末を迎えるのか、
自分の過去を許すことが出来るのか、許されるのか、
これからどう生きていくのかなどなど。
メインのテーマとは少々ずれるけど、
動物たちの描写はやぱり苦手だ。
バクテリア感染の実験をされた猿たちの様子とか、
その実験をする側の研究者たちの精神が潰れかけていく様とか。