僕の弁当のおかずには必ずといっていほど卵焼きが入っていた。


甘くはない塩味の卵焼き。それが僕の弁当箱の五分の一を埋め尽くす。



勝ち試合では7回からJFKが登板すると決まっているように


我が家の弁当箱の五分の一は卵焼きで埋められることが決まっていた。



そしてそのまわりをいわゆる主婦の味方ともいえる工場で作られた製品。


小分けすることができて便利なチンという機械に入れれば簡単に一品と化す製品。



つまりは冷凍食品というものによって埋められていく。


それは日によってというかその僕の冷凍食品の消費具合によって


品揃えはかわっていく。


きんぴらごぼうや、ホウレンソウの煮付け、から揚げやら魚類だ。



そんな母の愛情が詰まったというか、もしかしたら工場のおばちゃんたちの


愛情も半分ぐらい詰まっているんじゃないかという弁当を僕は朝カバンの


中に詰め込み、そして12時が来るまえにはほとんどたいらげる。




いわゆる早弁ってやつだ。


朝食は毎日のように食べていたが、いかんせん学校というところは慣れない環境の


中で頭を使い、さらにはちっとも面白い話をしない先生の話をじっと聞かなければ


いけないという拷問にも近い状況のため、腹が減る。減って減って仕方がない。



早弁をした後はぐっすり昼寝タイムだ。



弁当のうまさなんて当時わかるわけないんだから満腹感を味わえるなら


なんでもよかった。



詰め込み、先生の話を子守唄代わりに眠る。



それが僕の高校生活。




久しぶりに母親の卵焼きを食べながらふとこんなことを思い出した。




「僕は右か左かと尋ねられると左の方がわりかし好きなんだ」



かといってこの場合の右、左というのは右翼やら左翼やらを


さしているわけではなくてただ単純に左という方向性が好き


だということにすぎない。



例えば、ダンジョンやら迷宮やらに入るだろそこで二本に道が


分かれるわけだ。そんなとき僕は迷わず左を選ぶ。


どっちだ!なんて手を差し出されたときだって一緒。


選挙でさえ特にお気に入りがいなければ左の人を選ぶだろう。



とにかくここで伝えたいのは僕がどれだけ左が好きかってこと。


商品名でさえ左という字が入っているだけで購入するだろうし


芸能人でさえ左という字が入っていればそれだけで好きになれる。




逆にいえば左のない生活なんて考えられない。


僕は左利きとして生活しているし、


車だって左ハンドルだという理由で外車を使っている。


会社へ向かう道だってできるだけ左折で行けるように通っているぐらいだ。




この左の良さっていうのは僕以外には理解できないように思う。


もちろん今まで僕の周りの人間にその素晴らしさを伝えようとしたけれども


僕に共感してくれる人物は一人もいなかった。



左を愛し、左に学び、左に進む。

 


それが僕の人生である。


運動をするなら水泳が最も健康的だ。



ジョギングでもなくウエイトトレーニングでもなく、


エアロビクスやましてやどこかの外人がビクトリーなんて


叫んじゃうキャンプでもない。



ではなぜ水泳なのか?


そもそも健康的な運動とは無理をせず体を活性化させるための


動きである必要がある。



ジョギングやウエイトトレーニングというのは体の一部分に負担が


いきやすい。全身運動とか言われながらもやはりくまなく全身を


鍛えるというのはほぼ不可能に近い。どこかに偏って負担がかかる


のはいたしかたないことである。その点、水泳というのは本当の意味での


全身運動である。水圧というのは水に入っている限り、すべての部分に


かかる力である。そしてなにより自分がかけた力に対する反発力であるため


力が強い人には強くかかり、力が弱い人には弱くかかる。そのため体の


疲れに合わせても負荷が自動的に変わりという特性もある。




この特性のおかげによって水泳によって怪我をすることはめったに起こらない。


さらには水から上がった瞬間には全身にくまなく心地よい疲労感を感じることが


できる。



以上の点において健康に最も適した運動は水泳なのである。