国際映画テレビ学校の危機⁉ | MARYSOL のキューバ映画修行

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国際映画テレビ学校の危機⁉

ウェンディ・ゲーラの告発

 

ハバナ郊外のサン・アントニオ・デ・ロス・バニョスにある国際テレビ映画学校(EICTV)が1986年12月15日の設立以来、最大の危機的状況にある、と同校出身で作家のウェンディ・ゲーラ(1970年生まれ、2021年からマイアミ在住)がSNSで告発した。

  

 

※ 以下は彼女の投稿を元に訳出し再構成しました。

 

EICTVは、ガブリエル・ガルシア=マルケスが構想し創設した新ラテンアメリカ映画基金が設立し非政府組織の学校で、独立性を建学の精神としており、(他のキューバの学校とは違い)図式的な教育ではなく、自由にのびのびと学べた。まさに真の学びと創造性の場だった。

そして、それは、最初の話し合いでマルケスがフィデル・カストロに課した条件だった。

 

      

 

だが、その建学の精神はとうに失われ、学校は今や政治的意図の潜む組織と化し、同校の維持は“革命的誇張症”を支えることに他ならない。

しかも、大部分の生徒たち(留学生)は学費を払い、そのおかげで学校が維持されてきたにも拘わらず、様々な面における供給不足、盗難に加え、運営陣の不在や不十分な対応が問題になっている。

栄養、衛生、教材、交通、守衛の不足など生徒を取り巻く環境の劣化は、出張旅行などで不在がちなトップたちの“良い暮らし”とは対照的だ。

 

世界のどこにも負けないレベルで教育し啓発するためにガボが投じた資金の対象は学生であるのに、その学生たちの存在が忘れられている。

同校の運営を担う者たちは、学校は生活手段ではなく、教育をけん引し、知識を伝え、才能を育む場であることを思い出すべきだ。

 

状況の改善に加え、学生たちは外国人校長の任命を要求している。

ところが文化大臣は、副大臣のフェルナンド・ロハスを任命し、火に油を注いでいる。

キューバ当局は、同校が私費で運営されていることをまたも忘れている。

他の公立学校とは全く違うのだ。政府勢力の介入は、学校を建学の精神から劇的に隔ててしまうだろう。創造の自由という精神から。

 

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