LA BELLA DEL ALHAMBRA(仮:アルハンブラ劇場の花形)/1989年/ドラマ(レビュー)
原作:ミゲル・バルネー著「ラチェルの歌」
脚本:ミゲル・バルネー、エンリケ・ピネーダ・バルネー、フリオ・ガルシア・エスピノサ
撮影:ラウル・ロドリゲス
編集:ホルヘ・アベリョ
録音:ラウル・ガルシア
音楽:マリオ・ロメウ
出演:ベアトリス・バルデス(ラチェル)、セサル・エボラ(ペドロ)、カルロス・クルス(アドルフィート)、オマール・バルデス(フェデリコ)、イサベル・モレーノ(ラ・メヒカーナ)、ベロニカ・リン(ラチェルの母)、ホルヘ・マルティネス(エウセビオ=最初の恋人)
ストーリー
1920年代のハバナ。男たちの間では、歌や踊りや寸劇を組み合わせたレビューが人気で、なかでも「アルハンブラ劇場」が人気を博していた。テント小屋が舞台のラチェルは、いつの日かアルハンブラ劇場で活躍することを夢見ていた。そんな彼女を支え、成功へと導いたのは、仲間のアドルフィートだった。彼のおかげで憧れの劇場の主人、フェデリコの目に留まり、チャンスを掴んだラチェルは、天性の魅力と才能で男たちを魅了し(注:レビューの客は男性に限られていた)、“ディーバ”とも言うべき“ラ・メヒカーナ”に代わって“劇場の花形”になっていく。一方、私生活ではフェデリコの愛人として、贅沢で享楽的な生活を送っていた。そんなとき、新聞王の息子で政界進出をもくろむ美男子ペドロに見染められ、恋仲になる。ペドロは、ラチェルの熱心なファンだったが、アメリカとの観光ビジネスに関り出すと、政権を風刺する演目が疎ましくなり、ラチェルに辞めるよう迫る。折しもアドルフィートの死に打ちのめされていたラチェルだったが…
尚、本作は老いたラチェルの独白で始まり、終わる。
*ふんだんなレビュー・シーンが楽しい!
ラチェルを演じるベアトリス・バルデスの歌と踊りもすばらしくチャーミング
参考情報:
① 本作の舞台となる「アルハンブラ劇場」は実在した劇場で、1890年にオープン。ただし、レビューで人気が出たのは1900年以降で、1935年2月に閉鎖(原因は、建物の一部倒壊)するまで、ハバナで最も人気のある劇場だった。
② ラ・メヒカーナの歌は、オマーラ・ポルトゥオンドが吹き替えている。
③ 本作は封切られるや、たちまち250万人もの観客数を記録し伝説と化した。
受賞
スペイン、ゴヤ賞最優秀外国語映画賞
国際新ラテンアメリカ映画祭、最優秀舞台美術賞(1989年)
NYラテンフェスティバル、最優秀女優賞
プエルト・リコ、サンファン・フェスティバル、最優秀映画賞
プエルト・リコ、サンファン第二回フェスティバル、最優秀映画賞および Pitirre賞(1990年)
ポルトガル、最優秀映画賞およびベアトリス・バルデスに対し「スペシャル・メンション」(1990年)
キューバ、「カイマン・バルブード」誌よりベアトリス・バルデスに特別賞
ハバナ大学賞(最優秀映画)(1990年)
第7回UNEACフェスティバル、カラコル賞(監督、撮影、録音、編集、衣装、舞台美術、主演女優)
シネクラブ連盟、「エル・メガノ」賞(1991年)
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