バルコニーの崩落で少女3人が犠牲に | MARYSOL のキューバ映画修行

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【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
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去る27日(月)午後(現地時間)、ハバナ・ビエハのヘスス・マリア地区で、老朽化のため解体作業中だった建物のバルコニーが崩落し、3人の少女が下敷きになり亡くなりました。

 写真はCUBANET


犠牲者の名前と年齢は、María Karla Fuentesさん(12歳), Lisnavy Valdés Rodríguezさん (12歳)と Rocío García Nápolesさん(11歳)。
 注:年齢については、それぞれ1歳ずつ下という新情報もある。

       写真はCIBERCUBA

 

犠牲者の親族の話によると、3人はそろってアイスクリームを買いに行く途中で、通りの向かい側にいた母親たちの目の前で悲劇に襲われた。母親たちはすぐに駆け付け、瓦礫の中から娘たちを救い出し、病院に運んだが、残念ながら3人とも死亡した。

 

この事故を私が知ったのは火曜の夜(日本時間)、FBをチェックしているときでした。
キューバのマイナス情報を発信することはためらわれるのですが、ハバナの住居の老朽化とそこに住む人たちの深刻な危機感については、日本のキューバ・ファンの方々にもっと認識して欲しいと思っていたので、「シェアしたくないけど、こういう事実を知らないと、パドゥラの小説も理解できないから…」とコメントを付けてシェアしました。
 

一夜明けるとFBには、3人の担任だった女性教師の悲しみとお悔やみのメッセージ、歌手のアイデー・ミラネスの「あとどれだけの命が犠牲になれば、危機的な状況にある住居に対し、迅速かつ必要な処置が取られるのか?」という投稿、その他たくさんの悲しみと怒りの言葉(ホテル建設より老朽化した住居の修繕を優先すべきという声。危険防止の措置を取らなかった当局の怠慢への非難)が投稿・シェアされていました。

しかも、人々の反応の早さに比べ、ディアス・カネル首相がお悔やみのツイートをしたのは水曜日になってから。その遅さと文の短さが新たな非難を呼びました。

 写真:Nazaret Fernández 

 犠牲者に捧げられた花や蝋燭やぬいぐるみ(キューバではまだ珍しい光景だとのこと/写真も14ymedioより)

 

個人的な印象ですが、ウェブを見ていると、昨年暮れから気になる事象が多々起きており、市民の不満やストレスが溜まっているのではないかと心配です。
そんな中、今回の事件はかなり影響を及ぼすのでは?
良い方向に作用して、人々の暮らしが改善されていくことを願います。

 

最後にもうひとつ。老朽化が進む建物を見る度に、思い出す映画のシーンがあります。
『低開発の記憶』のラスト近く、セルヒオが読む新聞(REVOLUCIÓN)の紙面には、こんな投書が掲載されていました。
《家屋の破損の件で公社に陳情しているが、修理されない。道具がなくて自分では修理できない》

1962年のあの投書の主の陳情は、その後 解決されたでしょうか? それとも…。