キューバ映画:官の黄昏と民の曙 | MARYSOL のキューバ映画修行

MARYSOL のキューバ映画修行

【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
★「アキラの恋人」上映希望の方、メッセージください。

今スペイン南部の都市ウエルバで恒例のイベロアメリカ映画祭が開催中。
42回目となる今回は、キューバ映画に献辞が捧げられ、ホルヘ・ペルゴリアが表彰される一方で、参加したキューバ人俳優の口から、母国の映画状況への苦言も発せられました。

エンリケ・アルミランテ(俳優・写真左端)
「キューバ映画の現状は、重態のなかで小康を保っている病人のようだ。我々はなんとか命を救いたいと思っている」

ペルゴリア(右端)

「映画はかつて前衛的役割を負っていたが、今は製作数が激減し、他の国々に追い抜かれてしまった。猛省が必要だ」

 

映画祭ではもちろん最近のキューバ映画が上映されており、タイトルを眺めていて、目に留まったのが『エステバン』(2016年)。


監督はこの映画で初めてメガホンを握ったジョナル・コスクジュエラ(1977年生まれ)で、国立音楽局やテレビ局の協力を得てはいるものの自主製作映画。

 

ストーリーはシンプルで 《ピアノに魅せられた9歳の少年エステバンが、周囲の無理解と闘いながら、ピアニストになりたいという夢に向かって奮闘するうち、彼の世界も周囲も変わっていく》という内容らしい。 というわけで、映画の主人公は1人の少年だけれど、監督によれば、その少年はキューバ人を象徴しているとのこと。

 

“夢を追いかけろ”というテロップが繰り返されるトレーラー

 

チューチョ・バルデスが音楽を担当している。