ハバナの名物探偵マリオ・コンデが映画化 | MARYSOL のキューバ映画修行

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【キューバ映画】というジグソーパズルを完成させるための1ピースになれれば…そんな思いで綴ります。
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Padura現代キューバ文学を代表する作家レオナルド・パドゥラ。

6月にスペインのアストゥリアス皇太子賞を受賞し、名声は高まる一方だが、このたび偶然にも彼の人気探偵小説「マリオ・コンデ・シリーズ」の映画化が、スペインと米国でそれぞれ発表された。


スペイン版の監督は同国出身のフェリックス・ビスカレト

原作はシリーズ最初の4作にあたる「完璧な過去」「四旬節の風」「仮面」「秋の風景」。しかし映画化されるのは「四旬節の風」だけで、残りの3作はテレビ映画となる予定。
脚本はもちろんパドゥラと妻のルシア・コル。製作は、トルナソル・フィルムとナッドコム・プロダクションで、スペインテレビが後援。


ビスカレト監督はパドゥラ作品の大ファンで、特にアンチヒーローのマリオ・コンデがお気に入り。

「不可解、矛盾、隠れた階層、薄暗い路地、古い車。これほど映画になるものが他にあるかい?」とは監督の弁。

どうやら現代キューバのノワールな肖像画になるらしい。


Perrugoria コンデ探偵は、負け犬で、惚れっぽくて、皮肉屋で、知性と才能とユーモアを併せ持ち、すぐに民衆と関係を築けるキャラクター。

演じるのは、キューバを代表する俳優、ホルヘ・ペルゴリアだ。
ペルゴリアいわく「コンデは、革命と共に生まれ育った世代の代表。非常に特殊で集団的な体験をした世代だ」。


一方、コンデを翻弄する美人で謎めいたエンジニア、カリーナを演じるのは、ファナ・アコスタ。
「二人を結びつけているのは、壊れた夢。実現されなかった夢の数々」「パソコンもタブレットも携帯もなかった90年代が舞台なんだけれど、ここキューバはまさに時が止まっているみたい」

コロンビア出身のファナは、数年ぶりに訪れたキューバの印象について、「様々な面で開放性を感じるわ」と答えた。


共演者のルイス・アルベルト・ガルシアはコンデの親友カルロスを演じる。彼はアンゴラ戦争で車椅子生活になった身だ。


Banderas

続いて米国。こちらはではアントニオ・バンデラスがコンデ役。実はプロデューサーも兼ねている。

監督は、Starz Chris Albrecht

どうやらハリウッドではキューバが注目されているらしい。


Marysolより

これを機に、コンデ・シリーズを翻訳出版して欲しい!


写真はブログ「Cartas Desde Cuba」から。

テキストも同ブログ記事を参照