先日の記事
の最後に予告した「デスノエスがアレナスから受けた仕打ち」について書きます。
某インタビュー記事のデスノエスの発言です。
ちなみにデスノエスというのは、映画『低開発の記憶‐メモリアス‐』 と『セルヒオの手記‐ユートピアからの亡命』 の原作者。1979年にキューバから亡命し、現在はNY在住。
私はアメリカに亡命して来た頃、かなり孤立していた。その理由は当初、(レイナルド)アレナスが仲間を連れて私の講演会場にやって来て、殴りかかってきたからだ。
アレナスは私に深刻な問題をもたらした。なぜなら私がフィデル・カストロの秘密諜報部員で、ニカラグア革命のために米国の知識人をリクルートしていると告発したからだ。
彼はそれをCIAの前でやり、私はFBIの訪問を受けた。私がキューバ革命を擁護する仕事をしていると告げ口したのだ。革命政府を攻撃しなかったことが、革命のために働いている印だと。
これはとんでもない告発だった。なぜならまだ冷戦下のさなかにFBIがやって来たのだから。アレナスは「Kosmos」という雑誌に70ページに渡るエッセイを載せ、そのなかで彼の現実に対する想像力の例として、私がフィデルに恋をしており、その理由は私が毛深くなくてフィデルの髭に憧れているからだと書いた。
私はアレナスと何の関係もなかった。キューバ時代に私が勤務していた出版局は、彼がエッセイを書けるようにしてやったし、二作目の小説の出版の提案もした。だが彼は私を権力の代表と見ていた。さらに田舎者らしく、私の容姿のアングロサクソン的特徴に注目した。彼には恨みがあったのだ。それにしても彼の攻撃性に正当性はなかった。
もしかすると彼にはもっと深い現実が見えていて、私のフィデルへの情熱は、私がフィデルと正反対だからだということのシンボルとしてそれを利用したのかもしれない。
*レイナルド・アレナス 1980年亡命
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%82%B9