ブルジョア出の道楽者
家族は米国へ亡命するが、
彼はそれを拒む
だが、現に自分の世界が崩壊し、イデオロギー的に軟弱なため
ミサイル危機のときにも
革命に加われない
上の文はICAIC DIGITALに掲載されていた映画のあらすじ
セルヒオの自壊は「イデオロギーのもろさゆえ」と解釈されている
アレア監督は、人々の意識が刷新されて
「一刻も早く映画が老いることを望む」と言った
けれど期待は裏切られ、映画は存在感を増している
悲しい歴史の逆説だ
アレアの眼に映った「低開発の刻印」とは何だったのか
キューバ革命は“良心の革命”だったという
良心の声に従い、エゴを克服し、革命と共にあろうとした人達を
私は心から尊敬する
けれど冷戦(米国)は、キューバを社会主義に追いやった
そのイデオロギーは、個人の主体性や考える(=問う)自由を圧迫した
革命から離脱する者が続出した
セルヒオは単なる弱虫の卑怯者だろうか
社会に無用な“nadie(=nobody)”なのか
「尊厳ある生」を望んで、なぜ「死」を迫られるのか
あまりにも残酷な逆説…