1年前の5/24
私の住む街のゴミ捨て場に、生まれたばかりの黒猫が3匹、袋に詰められて棄てられました…

母猫の温もりを求め、兄弟で必死に温め合って鳴いていた小さな小さな命が3つ

汚物にまみれたブランケットにくるまれ、
ゴミに捨てた人の中ではそれで、終わり

でも、この子たちの物語は終わらなかった


鳴き声に気付いた人が市役所に届け、
連絡を受けた私の元にやってきた子猫たち…

市役所の方がお湯を入れたペットボトルを入れてくれ…その優しさで、この子たちの命は繋がった


黒い毛と、おしっことうんちが付いたブランケットの臭いで、車内や部屋は一瞬にして悪臭に包まれたっけ

母猫が同じ黒猫であることと、
劣悪な環境で子猫たちを産んだこと、
ブランケットを支度してくれた人に子猫たちが棄てられたことだけは分かった…


↓保護した日の記事です


体重は標準より小さく、一番小さかった子で70g

その子は、尻尾が千切れてしまっていた


病院で切断した尻尾…

お母さんからもらった大切な尻尾

この子の命の代わりに天国に行ったんだから、
必ず助かる、そう信じた…


何度目かの生後0日での授乳が行われる

吸い付きさえできれば、体重は関係なく育つ可能性がある

でも、尻尾が切れた子は、なかなか飲めなかった


1g増やすのがやっと

シリンジで無理やりミルクを飲ませる
ちょんぎれ君と名付けたこの子は、苦しくても頑張った


頑張って、生後6日で91gになった

生きられる、そう思った


他の2匹、半端くんとピン君は吸い付きも良く
体重はドンドン増えていった


兄弟3匹で元気に大きくなって
絶対に幸せになろう
棄てた人は知らなくて良い
誰も知らなくて良い
私と、見守ってくれる人達だけが知っていれば良い

この子たちの命の物語を
その末に待つ幸せな未来を

疑いもせず、私はこの子たちが生きられると信じた


でも、ちょんぎれ君はその後急変…

目を開けることもなく、
天国へと旅立った…

最期は、ゴミの中ではなく
良い香りのする花の中での旅立ちだった


ちょんぎれ君が死んでも、
私には泣いてる暇なんてなかった
次の授乳時間が待っていて
遺された子たちがまだ生きていて

涙を流す余裕なんてほんの数十分で終わった
死んだ子に報いることが出来るのは
残った子たちを大きくしてあげること
それだけだった


大きくなれ

幸せになれ

命は繋がった

私が守る
新しい、本当のお母さんに出会える日まで
必ず幸せにしてあげるから

あんた達を育ててあげられなかった
人に無情に引き離された母猫の分まで

何も知らず、考えず
楽しいことだけを知って大きくなれ

そう願った


ピン君と半端君は、
ラボとシュウという名前になった

可愛いラボと、愛嬌のあるシュウ


可愛い可愛いラボとシュウ…


不要な命なんかじゃない

誰かの宝物になれることを証明してやれ

楽しくて嬉しくて、ワクワクするような日々
綺麗なキトンブルーの瞳に映る私の顔は、きっといつも笑っていた


ケンカもして、じゃれあって

ただただ無邪気で純粋なその魂に救われたのは
もしかしたら私の方だったか


真菌の治療も頑張ったね

飲み薬に塗り薬、毎日のお風呂…

何の苦もなかったよ
何もかもが愛おしくて楽しくて幸せな日々だった



いたずらも遊びも大好き

黒い毛玉が部屋をコロコロ


飼い主さんを探す時期が遅れたのは
手元に置きたいと…
うちで飼えないものかと悩んでしまったから


でもその遅れが、最高の縁を掴むことになった



ヒナコとりんりこが通う、北里大学の学生さん

まだ若く勉強家、そしてわざわざ遠方から会いに来てくれて、選べない、と
2匹でお迎えを決めてくれた

猫を迎えるための勉強をして、
必要なものを揃えてくれて、

ラボとシュウを、人生で初めての猫に選んでくれた


送り届けた日は、すごくすごくドキドキして

ほんの少し、寂しかった

でも、幸せになるんだって
とても嬉しかった…


沢山の人が、ラボとシュウの幸せな旅立ちを祝ってくれて

そして、私の心の中に空いた猫型の穴を埋めようとしてくれた

宝物のクロスケーズ像…

紫陽花の下に眠るちょんぎれ君…クーちゃんも一緒


ラボ、シュウ…

あんたたちが残した物はとても大きくて

沢山の人の心の中に
大切なものを刻んでいったよ


人の残酷さ…
優しさ…

命の儚さと強さと、愛おしさと…


何もかも終わった時、

私は、ずっと会いたかった子に
伝えたかった言葉を綴った


きっとこの街のどこかにいる

痩せこけて、毛も抜けたボロボロの黒猫…

ラボとシュウの母さん…







街を車で走ると
どこかにいるはずのラボとシュウの母さんを探してしまう

それは今も変わらず

出産シーズンを迎えた今、
またどこかで次のラボとシュウを産んでるんじゃないか

また、ゴミ捨て場に新たなクーちゃんが棄てられてるんじゃないか

探してしまうけど
きっと奇跡が起きない限り、出会うことはないんだろう



奇跡というならば、
きっとラボとシュウが生き延び、本当の家族に出会えた

それがきっとそうなんだろう




ラボ、


シュウ、


あの日、出会ってくれてありがとう
生きていてくれてありがとう
育てさせてくれてありがとう

私に、幸せを
楽しい日々を
嬉しい涙を
切ない別れを

ありがとう

大好きだよ
出会った頃から
今も変わらず

遠くにいても
同じ空の下

私は毎日、クーちゃんの眠る紫陽花を眺めながら
ラボとシュウと、
本当の家族と、あんたたちを生んだ母猫の幸せを

祈っています


1歳のお誕生日、おめでとう




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