大切にしてきた言葉がある。

その一つが「一期一会」
短い人生の中で
私が出逢える人は
いったいどれだけいるだろう?

同じ時代に生まれ合わせ
同じ地域に生まれ合わせ
ともに語らい
ともに生き
ともに同じときを過ごせる人

そう考えたら
出逢う人 一人ひとりを大事にしたい
ともに過ごす時間を大切にしたい

そして、二つ目は
「一日一生」

この地上に
オギャーと生まれて
生かされている時間は
長いようで 短い

誰にでも等しく与えられているのは
一日24時間
怠惰に生きようとも
日々努力しながら
一生懸命生きようとも
一日一日は 確実に
過ぎ去ってゆく

同じ与えられた一日24時間は
どのように使おうとも
その人の自由に任されている

私は 怠けて生きることはできない
そんな時期も
あったかもしれないなと思うけれども
与えられた生命を
大切に使いたい

したいことはたくさんある
学びたいことはたくさんある
挑戦してみたいこと いっぱいある
挑戦したけど
挫折したこといっぱいある

人間 死ぬまで勉強だと思うから
与えられた一日一日を大切にしたい
毎日毎日を充実させるために
タイムマネジメントしっかりしながら
「一日一生」の思いで
毎日を生きたい

そして、最近
心に誓ったことがある

「明日も命があると思うな」ということ

今日できることは今日する
今日できることは明日に持ち越さない

当たり前のように
明日もこの命があると思うなと

だから
思ったことは今日する
会うべき人には
可能ならば 今日会う

今日の命を完全燃焼して生きる

この三つを心に抱きしめ
今日を生きる

人 時間を大切にしながら
そして
自分自身をも大切にしながら


心の中に詰め込んで
いつの間にか
溜まってしまったもの

古い古い 過去のこと
幼き 幼き 子供時代
そんな頃に 感じてた
汚い 埃混じりの悲しみが

心の奥底から
出てきたよ

もうすっかり 忘れてた
いとも簡単に
人の心を傷つける
投げやりの言葉や
剥き出しの感情

自分の心を見つめていたら
見つけたよ

忘れていたようで
仕舞い込んでた
自分の気持ち

捨て去ったようで
持って抱いていた
自分の気持ち

いい加減
捨ててしまいなよ
その気持ち

いい加減
忘れてしまいなよ
その気持ち


いつの間にか
季節は変わり
時代は変わってしまった

干からびた
干物のような私とは
さよならをする時が来たみたい


光り溢れる季節だから
殻を脱ぎ捨て

脱皮しよう


「おはよう!」

朝、母の部屋に行き、
カーテンを開ける
「もう、朝?」と
眠そうな眼をこすりながら
つぶやく母を見ると
ほっとする

食が細くなった
脚が益々 細くなった
昨日は簡単に出来た動作の
ひとつひとつが 
難しかったり
出来なくなったり
コーヒーカップを持つ手も
震えている

歳を取るということ

幼き頃は
昨日出来なかったことが
今日は出来るようになったと
そのひとつひとつが
喜びだったり
幸せだったりするものだけれど

歳を取ると
昨日出来たことが
今日は突然出来なくなったり
昨日あれだけ食べれたのに
今日はその半分しか
口に運ばなくなったり

生きていること そのものが
苦しみとなり
辛い日々と化す

歳を取るということは
こういうことなのかな?
出来ることが
日に日に少なくなっていく
食べれるものが
だんだん少なくなってくる

あんなに大好きだったお刺身も
あんなに大好きだったステーキも
二言目には
「いらない」「食べたくない」と
まるで
食べることが苦しみのように見える

玄関の戸を開けたら
芳しい甘い香りを楽しませてくれた
金木犀の木のように

裏庭の梅の木の
淡いピンクの八重桜の木のように
いつしか枯れてしまうのかな

この家に生きてきた人の生命の灯が
ひとつ また ひとつと
消えてゆく その歴史を

長い 長い年月
じっと見守ってきてくれた
樹木の生命の灯が
消えてゆくその瞬間が
そう遠い先ではないことを感じながら

心地よい朝日の輝きの中で
うっすらと
母が 目覚める