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☆私の本棚☆
読んだ本について思うところを書いています。あくまでも個人の感想です。
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空海や真言密教に関する本について書いている。
第3回は、ひろさちや先生監修の仏教コミックスより空海と真言密教に関係する以下の6冊。
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仏教コミックスはすごいよ!
全108巻、なんと煩悩の数だけ刊行!(別巻が1冊あり)
全巻読めば、これでキミも仏教博士だ!(昭和のCM)といっても、博士号(仏教学)を持っている人だってここまで幅広くないぞという勢いの、およそ世界中の仏教に関連することは網羅された至れり尽くせりのラインナップ。
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空海や真言密教に関する本について書いている。
第2回は、明治時代の哲学者・井上哲次郎著(仏教聖典研究会編)の『入門 哲学者 ・空海と真言密教の思想 天台仏教 、バラモン教 、儒教 、キリスト教 、ギリシア哲学との比較から』である。
この本は、大正六年六月十五日の井上先生の講演録『哲学上より見たる弘法大師 』をわかりやすく書き直したものである。
(写真は国会図書館デジタルライブラリーより)
空海が夢に出てくるようになって気になり、最初に読んだのは、この本である。(もちろん読みやすく書き直したほう。)
前回も書いたように、空海の関連書籍は、山ほど存在する。
とはいえ、空海に関して現在明らかに事実と考えられる信頼性の高い情報というのは限られており、今から新しい事実が判明する望みはかなり薄い。(もっとも、空海は、この時代の人にしては著作を多く残しており、しかも結構自分語りが好きだったようなのが救いである。)
せっかくなので私はなるべく多くの人の空海伝なり空海論なりに多面的に当たってみようと考えた。
もちろん情報は限られているので、重複する部分が多く、どうしても著者の解釈や想像、あるいは創造、時に妄想で大いに肉付けされる。
たくさん読んでいくうちに、余分な肉付けを削ぎ落とした空海の真実の姿が見えてくるのではないか、と思った。
『入門 哲学者 ・空海と真言密教の思想 』のもととなる講演は、大正6年に行われたものである。
100年前の日本における空海の評価はいかなるものであったか。
後々、書くつもりだが、角川ソフィア文庫の『仏教の思想 9 生命の海 <空海 >』の文庫版序、および、はしがきにおいて、梅原猛先生は、明治100年はヨ ーロッパ文化移入に血道をあげ、仏教忘却の時代であった、と嘆き、京大の西田幾多郎、田邊元が仏教に精通していたものの、もっぱら禅と浄土であった旨述べている。
大正時代に東大の先生が空海を取り上げたということは、なかなか面白いことなのかもしれない。
その内容だが、まず、空海が仏教哲学者であったとして、彼の著作を引用しながら、他の哲学思想と対比して、その哲学思想を述べている。
この本を最初に読んだときは、漫然と空海とはどんな思想の持ち主だったのか、と思いながら読んだが、今回このブログの記事を書くために読み直して、なるほどと思ったのは、密教とバラモン教の対比である。
空海の師である恵果は唐の人だったが、その師不空三蔵と、さらにその師である金剛智三蔵はバラモンであった。
そのゆえか、密教には 、その教義の面でも 、またその儀式の面でもバラモン教に由来する要素があることが語られている。
空海は、長安において恵果から密教を受け継ぎ目的を果たしたので日本に帰ったが、もともとは、唐を超えてインドを見据えていたのではないかと思う。
中国文化のテイストが濃い禅宗と異なり、空海の密教はとてもインド的な気がする。
長安でも空海は当時唐で勢いを増してきた禅宗にも当然触れていただろうが、彼の感性にはやはり密教だったのだ。
今の私にはまだまだ十分に理解できていない空海の思想。
この本では、空海の説く自由とは超絶的なものであると語られている。
「超絶的な自由」というのは、なんだか嬉しい。
その一方で戒律を重視して、現実的実用的な人でもあった空海。
身分制度が厳しく、現代とは比べ物にならないほど制約の多い時代に、超絶的な自由を説き、その自由な発想で庶民のための学校を作るなど現実的な社会貢献もした。
今、私の目に映る空海の姿である。