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☆私の本棚☆
読んだ本について思うところを書いています。
あくまでも個人の感想です。
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今回ご紹介するのはこちら
三島由紀夫著
『豊饒の海4 天人五衰』
倶舎論や唯識は、仏教を学ぶ上での必須科目である。
超天才の空海ならいざ知らず、凡人の私にとって、この言葉のように、これらを習得することはやさしいことではない。
それでも、空海の密教を理解するためには避けて通れぬ道。
昨年からボチボチ本を読んだり、カルチャーセンターの講座を受けたりしている。
前回の拙ブログの「私の本棚」で紹介した『高岳親王航海記』の著者澁澤龍彦と三島由紀夫とは友人であった。
三島は澁澤の影響で、『サド侯爵夫人』を書いている。
なるほど、の交友関係。
その三島は、昭和41年の正月に澁澤宅を訪ねて、『豊饒の海』の構想を語った、という。
三島由紀夫の『豊饒の海』。
輪廻転生の物語。
『春の雪』、『奔馬』、『暁の寺』、『天人五衰』の四部作。
第1巻の『春の雪』は、行定勲監督、妻夫木聡主演で映画化された。
ヒロイン綾倉聡子役は、今は亡き竹内結子。
私は当時これを映画館で観たが、結子さん、とても美しかった。
春の雪のように儚く美しかった。
それはさておき、『天人五衰』は、私にとって非常に印象的な作品である。
印象的な場面はたくさんある。
曼荼羅も出てくる。
老齢の本多弁護士は夜の公園に佇んで、「自分が胎蔵界曼荼羅の只中にたっているような心地がした」
これはどういうことだろう?
阿頼耶識と関係あるのか?
(密教は、第八識・阿頼耶識の次に第九識・菴摩羅識(あんもらしき)を立てており、これは大日如来に配当される。ここに登場する胎蔵界曼荼羅は密教よりも「豊饒の海」に関連しているように私には思える。)
クライマックスは、昭和49年のクリスマスより少し早めの晩餐会。
本多の友人慶子が、本多の養子透の秘密を本人に勝手にバラす場面。
慶子の立場に立って読むと、これはもう、スッキリ。
多分、この生意気な若者にずっと言いたかったんだろう。
そこから物語は、最終場面である奈良の月修寺へと、急転直下のごとく坂を転げるように進んでいく。
蝉の声が冷ややかに聞こえる、夏の寺。
月修寺の時間は、世俗とは進み方が異なるようだ。
そして、蓄積される記憶も異なるのかも知れない。
物語は、月修寺の庭で終わっている。
ここから出た時、本多はどうなっているのだろう。
この「阿頼耶識」の庭から戻れるのだろうか。
いつも不思議な読後感に駆られる『天人五衰』。








