「 刑事が愛した女 」 (2001年)

(ゲスト)
村井早智子…細川直美、 城山賢造…本田博太郎、 城山満寿美…岡まゆみ、 野上克夫…本城丸裕、 三沢房子…紅萬子、 神崎みどり…秋元彩香、 神崎志津子…大塚良重、 奥田…深水三章

オープニング。タクシーの車内は狭い密室、風邪っぴきのお客さんを乗せると運転手さんも風邪をもらってしまう、ということを、深見さんと、蓉子さんの、ドリフばりの風邪コントで再現。蓉子さんの薬ぶちまけがひどかった。

深見さんと蓉子さんのせいで、夜明さん風邪で発熱。あゆみちゃんに病院に行くよう言われても、「寝ていれば治る」「病院は嫌い」とかわいらしいことを言って拒否。でも、寄る年波には勝てず、安静にしていても熱は上がるばかりだったので、観念して病院へ。

夜明さん、城山総合病院で早智子と遭遇。早智子は、その病院の看護師(当時は看護婦)。かわいらしくて優しい早智子に「病院も、悪くないっすねぇ」とセクハラじみたオヤジ発言をする夜明さん。その発言の罰が当たったのか、がさつそうなお局風おばちゃん看護師にチェンジして雑に扱われる。気の毒だけど、仕方ない。

病院を出たところで東山に遭遇。看護婦さんとデートで待ち合わせ、とのこと。言ったらひかれると思ってか、まだ刑事ということは話していないらしい。
お局風おばちゃん看護師の顔真似をして爆笑しながら「こんなんだろ」と東山をからかう夜明さんと、「なんでそんな不細工なイメージなんですか」と冷静に突っ込む東山が面白くて、かわいい。渡瀬さん、笑うとき声が高くなるんだよなぁ。
夜明さんのそんなからかいに反して、東山の恋人は早智子。あのかわいい看護師さんが!とばかりに言葉が出なくなる夜明さん。本作の細川さん、本当にかわいらしい。東山とお似合いのカップルなんだけども・・・。

居間で電気もつけずぼーっと座って機能停止している夜明さん。あゆみちゃんがお母さんお手製のお弁当を持ってやってくる。「お母さん、心配してたよー」というあゆみちゃんの言葉にうれしそうな様子を見せながら食べる夜明さん。あゆみちゃんも、お母さんの料理をお父さんが食べている、ということ自体が嬉しい様子。
そんなほのぼのした雰囲気が、「あいつ、俺のこと、心配してた?」という夜明さんの質問に対する「きまってるじゃない。お父さんにもしものことがあったら、養育費もらえないって、そりゃもう、お母さん心配して」という回答で台無しに。「俺の心配してないじゃん、養育費の心配してんじゃん」と拗ねた夜明さん、お弁当に蓋をして差し戻す。あゆみちゃん、もうちょっと言い方というものがあるでしょ!

横浜辺りと思われる場所でデートをしている東山と早智子。東山はそれまで自分を「公務員」としか言っていないため、早智子は東山を「区役所の職員」と誤解している。夜明さんから「(刑事って)言えばいいじゃない」と発破をかけられたこともあり、早智子に公務員は公務員でも区役所職員ではなく刑事だ、と告白する東山。ここで早智子がかなり驚く、というよりも、動揺する表情を見せるのは、伏線だったのかな。
「刑事と知ったうえで付き合ってほしい」と東山が話した直後にかかってくる呼び出しの電話。早智子が勤めている城山総合病院の院長、城山賢造の娘 江梨が誘拐された、という連絡。

身代金は1億円。それを、城山と早智子がタクシーで運べ、というのが犯人の指示。神谷さんから夜明さんに、身代金運搬タクシーの発注。行先は、つどつど犯人から携帯電話で指示があり、最終的には神戸が目的地となる。
その間、捜査本部では、江梨の行動をよく知っており、身代金の運搬役に指名された早智子が、誘拐犯の共犯ではないか、という意見が出る。

次の指示は翌日の朝に出す、という犯人からの連絡があったため、ホテル(有馬ビューホテル)で一泊する一行。
犯人の目がどこにあるか分からないから、と、変装をして夜明さんの部屋に入ってくる東山と国代。

洋風と和風

鍋の蓋を開けようとした国代へ、夜明さんの「まだ!」という言葉と制裁。どこかのインタビュー(「十津川警部が見た風景」だった記憶)で鍋奉行、とおっしゃっていたから、夜明さんというより、ここは渡瀬さんなのかもしれない。

鍋奉行降臨


捜査本部で早智子を疑う声があることから、東山が早智子と付き合っていることを「まずいですよ」と言う国代。反発する東山と喧嘩になりそうなところへ、話題をそらすためか、夜明さんが東山に早智子とのなれそめを聞く。
出会ったのは、東山が盲腸で入院したとき。忙しく、きつい仕事であるにもかかわらず、患者にはいつも笑顔で接する早智子に惹かれ、退院が決まった時、デートに誘った、とのこと。この誘い方がかわいかった。「あのー、ホントに、いろいろお世話になって。是非、そのお礼に、というとちょっと嘘になりますけど、今度よかったら、一緒に食事でも。コーヒー・・・、紅茶・・・、立ち話でもいいや」。

城山がチェックアウトの手続をしている間、夜明さんと早智子はタクシーの中で待つ。その間に、「どうして刑事を」のやり取り。夜明さんからは「あなたに、一つだけ言っておきたいことがあります。バツイチの自分が言うのは変ですけど、東山、あいつ、いいやつです」。ここで早智子がほほ笑むんだけど、ラストから振り返ると、なんだかすごく切ない気分になる。

メリケンパーク、ビーナスブリッジ、三ノ宮駅前、南京街と犯人の指示で連れまわされ、最後の 舞子海岸にたどり着いた時には疲弊しきった様子の城山。そこにかかってきた犯人の指示は、身代金は早智子に預けて城山は一人で裏の駐車場にとめてあるグレーの車に乗って待っていろ、というもの。
早智子がそのまま待っているところへ、江梨がトボトボ歩いてくる。江梨は無事だったが、手には「警察に知らせた罰だ」という紙片を持っていた。その言葉を見て、城山の下へ駆け付けようとした夜明さんだけど、その前に城山が乗っていた車が大爆発を起こし炎上。城山、死亡。

捜査本部は早智子が怪しい、と何度も早智子に電話の声を聴かせて事情聴取。東山と早智子の関係から、東山たちは早智子の捜査から外される。

夜明さん宅で捜査状況を報告する東山と国代。早智子の捜査を外されたことについて、東山は「なに?俺が悪いって言うの?そんな捜査したってしょうがないんだよ!」と国代に苛立ちをぶつける。どうして早智子を信じるのか、疑うのが刑事の仕事じゃないか、と言う国代との間で小競り合い。でも、「先輩、僕は心配しているから言っているんです」という国代の言葉が嬉しい。

神谷さんもやってきて、東山に捜査から降りろ、と告げる。もしも早智子が事件に加担していたら、刑事を辞めるしかなくなる、と言う神谷さんに、「だったら、辞めますよ」と怒る東山。
ここからの夜明さんの言葉が、いい。「東山、刑事辞めるなんて軽々しく言うんじゃない!だったら俺と同じじゃないか。俺と同じ誤ちおかしてどうするんだよ。俺が刑事辞めたのは、週刊誌に馬鹿なこと書かれ、本部の奴らにも色眼鏡で見られ、だけどそれだけじゃない、これだけは信じてくれる、そう思っていた自分の女房にも疑われたからだ。俺は刑事を辞め、離婚した。東山、お前は違う!仕事も結婚もこれからじゃないか」。



夜明さんの真摯な言葉が響いた様子の、東山の表情もよかった


早智子と別れるつもりはない、刑事を辞めるつもりもない、真犯人を必ず挙げる、と決意して捜査に当たる東山。
犯人は車の中で何度か咳をしていた、という江梨の供述から、城山総合病院に入院したことがあり、借金まみれで爆薬の知識もある野上が容疑者に浮上。さらに、城山に愛人がいたことも発覚。
筋とは全く関係ないけど、野上克夫37才に結構な衝撃を受けた。前も正平の年齢設定(第11作)に違和感を覚えたけど、今回はそれをはるかに超えたので画像付き。



うーん、37才・・・か・・・・


夜の野球場(「玉川スタジアム」と書いてあったけど、神宮球場?)で共犯らしき女性と待ち合わせをした野上がバットで撲殺される。周囲に犯人のものと思われるハイヒールの足跡が残されていた。

帰宅した夜明さん、家の中が電気もテレビもつけっぱなしのままなことに「もー」と文句を言いながら中へ入る。そこへ「いるわよ」とあゆみちゃんの声。夜明さんの風邪があゆみちゃんに移って寝込んでいる。「誰のせいかも分かるわよね」と恨みがましく言うのがかわいい。
つけっぱなしのテレビから野上殺害のニュースが流れ、夜明さんが野上の死亡を知る。

夜明さんは早智子のもとを訪れ、野上の死を告げる。そして、早智子との会話の中で、早智子が野上の入院中、飲酒している野上を咎め、それが表向きの理由で野上が退院させられたという事情を知る。だから野上は早智子を逆恨みして身代金の運搬役に指名し、神戸まで連れまわすとと同時に警察の容疑がかかるように仕向けた、というのが夜明さんの推理。

江梨の服についていた繊維片から、野上が誘拐の実行犯であることは確定。野上の殺害現場に残されていたハイヒールの足跡から野上殺害の犯人は女性、ということで、早智子が再度疑われる。
容疑者を早智子一本に絞る、という捜査方針に東山が反発。城山の愛人が怪しい、と意見したが、嫌味な上司で捜査責任者の奥田から「本部の方針に従えないというなら降りてもらってもいい」と言われ、辞表を提出。警察手帳と手錠も置いて、「捜査は一人で続けます」と言って去っていく。

心配をした神谷さんが夜明さんに電話。城山家前で待伏せて一緒に捜査。
城山家の家政婦さんに聴き込みをしたところ、城山と妻の満寿美との関係は城山の浮気が原因で冷え切っていたという情報と城山の愛人が勤めているクラブの情報を得る。
クラブで城山の愛人に聴き込み。愛人は、城山を殺したのは満寿美ではないか、と疑っている。城山の下へ、匿名で、満寿美が浮気をしている証拠写真が送られてきた、浮気の証拠を握られて離婚になったら江梨を取られるのではないか、と満寿美が思ったのではないか、というのがその根拠。

満寿美で決まり、という雰囲気になる捜査本部。
その夜、手土産をもって、神谷さんが夜明さん宅を訪れる(ただし、手土産はお礼ではなく「子供のお土産」らしい)。
一件落着を喜ぶ夜明さんに、まだ早智子への疑いを捨てきれない神谷さん。早智子のことを調べた結果、早智子の出身は和歌山、早智子の母は早智子が10歳の時に蒸発、父親も愛人を作って早智子を捨てた、その結果、児童養護施設に入所するため、和歌山から姫路に移った、というなかなかハードな半生。
彼女にはまだ何か隠された秘密があるのではないか、と心配する神谷さんに、「お前はそういう奴なんだよ。なんでも悪い方に考える。本部の方針に反対してみたものの、間違っていたら自分の出世に響く。お前みたいなのをね、ヒラメデカって言うんだよ。上ばっかり見てビクビクビクビクしてる。お前は組織に逆らえない人間なの!」。ここから始まる二人の口喧嘩。神谷さんは、家族のために慎重になっている、夜明さんみたいカッとなったら一直線じゃ家族はたまらない、と痛いところを突く。でも、結局、二人が心配しているのは東山のこと、というのが喧嘩の中で分かって、あー、いいなぁという気分になる。
最後、しみじみ家族のこと、奥さんのことを話すんだけど、神谷さんの子供は6人ということが発覚(でも、この後の作品では4人娘だったような気もする)。

居酒屋で夕食中の夜明さんの下を訪れる早智子。「東山さんはどうしているのかなぁと思って。事件があって以来、一度も会ってないんです。電話もなくて。私が疑われている以上、仕方ないんですけどね」と言う早智子に、東山はあなたの無実を晴らしたい一心で捜査している、犯人の目星がついたと言っていたから、今夜あたり電話が来るんじゃないか、と言ってあげる夜明さん。
夜明さんのタクシーで早智子を自宅へ送る途中、早智子は、自分は東山が思っているような人間ではないが、「これだけは信じてほしい」「東山さんは、救いでした」と話す。

満寿美宅のガサ入れで、野上殺しの犯人が残していった靴跡に合致するハイヒールが出てくる。捜査員が満寿美逮捕に向かったところ、「お母さんが、お母さんが」と言いながら、江梨が家から飛び出してくる。捜査員が家の中に入ったところ、服毒死している満寿美を発見。

捜査の手が伸び、逃げ切れないと観念しての自殺、という見解の捜査本部。
東山たちから報告を受けた、夜明さんは、江梨を失いたくなくて城山を殺した満寿美が、江梨を残して自殺なんかするかなぁ、と違和感を覚える。国代によれば、神谷さんも「早智子がにおう」とブツブツ言っているらしい。
ここで、夜明さんが東山に「東山どう思う?刑事としてどう思うって聞いてるんだよ」と尋ね、「これまでは、満寿美で決まりと信じていました。ですが、その満寿美が死んだわけですから、自分も、村井早智子が気になります」と絞り出すように東山が答えるのがいい。

城山が医大を出たすぐ後、勤務医として神戸で働いていた。因縁の地、神戸で手がかりを探るべく、夜明さんのタクシーで神戸へ向かう東山と国代(領収書は神谷さん)。

神戸での城山の勤務先病院で、城山が医療ミスを犯し、9歳の男の子を死亡させていたことが分かる。
被害者は神崎マサオ。家族構成は、母 神崎志津子と姉 神崎みどりの3人家族。志津子はマサオの死亡後、病院を相手に訴訟を起こしたが、3年にわたる裁判の結果、全面敗訴。敗訴後、志津子は首吊り自殺を図り、一命はとりとめたものの、後遺症が残り、何も認識できず、自由に動くこともできないような状態に。
マサオの姉 みどりは、神戸市内で喫茶店を経営。城山のことは「昔のこと」と淡白な様子で、店があるから東京になど行っていない、と落ち着いた様子。ただ、「村井早智子とっていう方、ご存知ですか」という夜明さんの質問には少し動揺した様子を見せる。

姫路の児童養護施設でも聴き込み。神崎みどりと村井早智子が、同じ施設で育ち、特に仲が良かったという情報から、二人は入れ替わったのではないか、と推理する夜明さん。
そこで、神崎志津子が入院している病院に、みどりへ、「志津子が危篤」という連絡をいれるよう依頼し、誰が駆けつけるかを待つ、という罠を仕掛ける。みどりは来ず、翌朝、早智子が駆けつけたことで、入れ替わり確信。みどりが来ない、という状況になった時の、東山の表情がとても悲しかった。

告白タイム。城山に復讐するために戸籍を交換し、看護師になった。城山の身辺を調べ上げて満寿美も浮気をしていることを突き止め、離婚問題をこじらせて、満寿美に城山殺害を決意させる。野上をお金で釣って操り、江梨の誘拐、城山の殺害を実行させる。報酬を吊り上げようとした野上を殺害し、すべての容疑が満寿美に向くように工作して、夜明タクシーというアリバイを作ったうえでカプセル入り毒薬で満寿美を殺害。

疑われるのを承知で身代金運搬役に自分自身を指名したのは、そばで城山が苦しむ姿を見たかったから。神戸で城山を殺害したのは弟が死に、母がいるこの街で復讐を果たしたかったから。
それほどの恨みを生み出した根源は、14歳の時、首を吊った母を発見してロープから降ろしたときの母の重さ、冷たさが忘れられないから。
東山と出会って、復讐はやめようと一度は思ったけど、昔の医療ミスのことをなんとも思っていない城山の言動を目撃してしまい、怒りが再燃したから。
14歳でその経験は強烈だよなぁと、すごく早智子に同情してしまう。なぜ江梨のことを考えなかったのか、自分と同じ境遇の子を作り出してしまったんだ、と夜明さんは言うけど、それはちょっと弱いと思う。

でも、東山の気持ちを思ってのフルスイングビンタは、びっくりしたけどよかったし、そこからの東山と早智子のやり取りがすごくいい。
東山と出会って、母や弟を思う気持ちとの間で悩み、苦しんだ。「東山さんが刑事だと知っていたら、付き合うことはしませんでした。あなたを裏切ることは」「俺が、もっと早く言うべきだった。そうすれば、引き留めることができた」。
手錠を、という形で前に差し出された早智子の手を包んで、「手錠持ってないから」と下げさせる東山が切ない。デートの時、”まじめに働く優しい早智子”の象徴として、手がクローズアップされていたから、なおさら切なかった。



悲しい


エンディング。「東山さん、しばらく立ち直れないだろうなぁ」と東山に同情的なあゆみちゃん。「私、慰めに行ってあげようかなぁ」と言うあゆみちゃんに、「お前まさか、東山に」と心配症を発動する夜明さん。でも、あゆみちゃん曰く、刑事はお父さんだけでこりごりらしい。「嫌な言い方。お前さぁ、最近、しゃべり方まであいつに似てきたね」「あっ、そうだ、お母さんがね、風邪の時はいつでもお料理、作るって」「馬に餌食わせるみたいに」「感激しながら食べてたくせに」「感激なんかしねぇよ。風邪ひいたって、だーれがあいつの作った料理なんか」(くしゃみ)でエンド。

東山、2回目の主役回。この回は、とても好き。犯行動機の重さと、それに見合った業の深さと、東山の恋心と優しさがとてもいい。 「俺が、もっと早く言うべきだった。そうすれば、引き留めることができた」辺りでいつも泣く(´;ω;`)

エンディングテーマ。ZARD 「promised you」

「 死にたがる乗客 」 (2000年)

(ゲスト)
秋山恵美子…秋本奈緒美、 秋山周平…石丸謙二郎、 古賀高男…中西良太、 金子哲也…遠藤憲一、 栗原豊子…内田春菊、 杉本梨花…平沢草、 飯塚里美…田村友里


オープニング。就職面接について。深見さん、蓉子さん、二人の息子、の3人で夜明さんのタクシーに乗車。過保護な両親が息子の就職面接を心配してついていっているという図。マザコンと親バカな3人の会話がとても面白い。「今日は息子にとって、一生を決める大切な日なんです。ヒデオ、頑張るんだ!」「ママがついてるわよ、頑張るの。フレー、フレー、ヒデ君。 フレー、フレー、ヒデ君。運転手さんもご一緒に!あっ、運転手さんも、ヒ・デ・クン。 フレー、フレー、ヒデ君」。夜明さんも思わずニコニコ。この回のオープニング、好きだ。

ユーロ食品でのあゆみちゃんの就職面接。母親と同居とのことだが父親は?と質問され、「両親は8年前に離婚しました」と答えると、何となく変な空気に。さらに、総務部長の秋山は、あゆみちゃんがマスコミ研究会に入っていると知ってなぜか不機嫌になり、「君の受け答えを聞いていると、熱意が感じられないんだよ。マスコミ関係を受けたものの、うまくいかない。この際、ほかの業種も受けてみようかしら、当社への志望動機はそんなところじゃないのかねぇ」と嫌味全開。あー、さすが、嫌味でねちっこい男を演じたら一級品の石丸さん、ものすごく憎たらしい(褒めています)。

古賀(悪良太)が刺殺される。

その翌日、秋山と梨花が夜明さんのタクシーに乗り込み、山中湖へ。旅行と言うが二人の間に会話がなく、静かすぎたことが、夜明さんの印象に残る。山中湖へ到着すると、秋山が、仕事で人に会うので2時間ほどしたら迎えに来てほしい、暇つぶしに彼女を河口湖にでも案内してほしい、と言ってタクシーを降りる。しかし、残された梨花のリクエストは青木ヶ原の樹海での散歩。「命は親から頂いた大切なもの/一人で悩まずまず相談して下さい」という看板が樹海感満載で怖い。
約束通りの時間に戻って秋山をピックアップし、ペンションに送って夜明さんの仕事は終了。

翌日、眠りから覚めた夜明さんの枕元にぼーっと座っているあゆみちゃん。「私、もうだめだわ」「今日はデパートの面接だったんだけど、どこ受けても通る気がしないの」と悲観的。でも、悲観的になれるのは希望があるからで、それは逆に幸せなことなのかもしれない、と彼女の将来のことを思い、そんなことを考えた。

そんなヘビーな寝起きの夜明さんに訪問者。あゆみちゃんの就職がうまくいかないことを怒った元妻の襲来かと思ったら、訪問者は刑事だった。秋山と梨花が山中湖で服毒死したのでその捜査をしている、心中か否かを判断するためタクシーに乗っていた時の様子を聞きたい、とのこと。夜明さんが、”車内では無口だった、青木ヶ原を散歩していた”という話をしたところ、刑事たちの心証は心中へ。
ただ、就職面接で嫌味を言われたあゆみちゃんは「私にはとても自殺するような人には見えなかったけどなぁ」との感想を漏らす。

古賀の遺体が発見される。発見者は金子。古賀はジャーナリストで金子は雑誌の編集者。原稿を取りに来て、遺体を発見したとのこと。金子演じるエンケンさんは、3年ぶり3度目のタクドラ出演。初期のタクドラによく出ていたんだなぁ。今回は、なぜか訛りが強いキャラ。

秋山の妻 恵美子から夜明さんに迎車の指名。夫と同じルートで山中湖へ行ってほしいという要望。恵美子としては、夫が自殺する理由に心当たりがなく、心中と決めつける警察、及び、警察の心証を決めた夜明さんの証言に不満がある。しかし、秋山の足跡をたどり、他の関係者の話を聞き、秋山が死亡した現場の湖を見たことで、徐々に秋山は自殺、ということを受け入れる。
そんな恵美子に、夜明さんが逆に、心中と考えると不自然な点を矢継ぎ早に話す。頭がついていかない様子の恵美子に「すいません、つい、昔の癖が出て」と言う夜明さん。それが呼び水になって、「どうして刑事をお辞めになったのですか」からのいつもの身の上話。
コモ湖に例えられた湖がコモ湖に似ているかどうかは分からないけど、夕日が落ちて金色に輝く姿は美しかった。

「人が亡くなった湖だというのに、こんなにきれいな夕日が見れるんですね」


古賀は梨花の元恋人だったことが判明。古賀の死と梨花の心中の関連性を調べるため、梨花と秋山の行動を知りたい、と言う東山に、山中湖に行きたいの?と夜明さんはニコニコ。しかし、東山が知りたいのは梨花が散歩をした樹海の場所のみ。ロングゲットならず。
夜明さんの情報に基づき捜索したところ、古賀殺しの凶器と思われるナイフが発見される。これにより、秋山が古賀を殺し、梨花に樹海に凶器を捨てさせたが、逃げ切れないと観念して二人で心中した、という警察側のストーリーが完結。

恵美子は川越で「コモ」というイタリアンレストランのシェフをしている。恵美子から夕食に招待された夜明さん、あゆみちゃんとともに来店。しばらく父娘二人による飯テロが続く。おいしそう。
そんなところへ、突然、グルメ雑誌の取材と言って男性二人が来店。恵美子は「取材はお断りしていると言ったはずです」と強く拒絶。

梨花が勤めていたクラブに金子が来店。梨花の同僚で秋山と梨花の遺体の第一発見者である里美に「二人は本当に心中だったのかな」と意味深な発言。

就職活動がうまくいかないあゆみちゃん。川越の恵美子の店を訪ね、食事。「このお店に来て、恵美子さんのパスタを食べていると、私、なんだか励まされるんです」とのこと。そんな健気なあゆみちゃんをかわいく思ったのか、恵美子からあゆみちゃんに食事のお誘い。
食事中、恵美子の身の上話。5歳で父が亡くなり、母と二人で貧しい生活だった。ある日、母が小田原にある小さな食堂に連れて行ってくれた。そこで食べたスパゲティが美味しくて、泣いてしまった。それがシェフを目指すようになった、忘れられない思い出、という話。

その日の夜、金子死亡。周囲に車止めが欠けた形のコンクリート片が落ちていたことから、それで撲殺されたと推定される。
その報道をラジオで聞いた夜明さん、新聞でも確かめようとしたが、扱いが小さくて詳細が分からない。出勤してきた小倉さんが持っていてた新聞も見てみたが、茨城の地方版だったので、同じ新聞社なのに記事が載っていなかった。「係長、そういや、マイホーム買ったんですよね。青森でしたっけ?」「茨城ですよ!毎朝5時起きでねぇ」という会話が面白い。小倉さんには毒が強めの夜明さん、小倉さんの風貌と相俟って、いいコンビになっていると思う。

古賀だけではなく金子も殺されたことから、古賀が秋山をゆすっていたネタは不倫という私的なことではなく、もっと大きな、秋山だけではなくその妻である恵美子にも影響が及ぶようなネタだったのではないか、という推理に基づき、恵美子に疑いを向ける神谷さん。金子死亡時の恵美子のアリバイの裏を取るために夜明さん宅を訪ねるが、金子の死亡推定時刻、恵美子はあゆみちゃんと代官山のレストランにいたため、アリバイ成立。

梨花、里美、秋山、古賀、金子の関係は、梨花は古賀とつきあっていたが秋山に乗り換えた、里美は秋山に惚れていた、金子は里美に惚れていた、という、三角とか四角がいくつかできる複雑な愛憎関係。

川越にお客さんを送ったついでに恵美子のお店に寄り、就職活動で落ち込んでいたあゆみちゃんを励ましてくれてありがとう、とお礼を言う夜明さん。これに対し、「あゆみちゃんにおっしゃってください。もう会えないかもしれないけど、あゆみちゃんの就職、希望が叶うことを、私、祈ってますって」という恵美子の返答。修業時代の友人に誘われて、1週間後、イタリアに発つ予定、とのこと。

ユーロ食品と総会屋との癒着が発覚。秋山は総会屋との接触に関する会社側の窓口で、古賀は総会屋の手下だった。これにより、一連の事件が、ユーロ食品の総会屋問題でつながっている、という線が浮上。

夜明さんから恵美子がイタリアへ発つと聞いて「恵美子さんってほんとすごいよねぇ」と感心するあゆみちゃん。あゆみちゃんの卒論のテーマは”マスメディア論及び人間考察と情報処理”。よく分からないけど、具体的には恵美子の半生を題材にしたルポのようなものを書きたいらしい。
恵美子に入れ込むあゆみちゃんに、夜明さん、「シェフになりたいなんて、言わないよね?調理師の資格とりたいから、料理学校に通いたい、とかさ」。よっぽど前回のビューティーアカデミーがトラウマになっている模様w
「こういう言い方するとおかしいけど、お父さん、できるだけ早く、お前に就職してもらいたいんだよね。いやいや、その、養育費はお前が学生の間ってのが、約束なんだから」と、お父さんの本音が漏れてしまった夜明さんに、あゆみちゃん、ムッとして、「シェフになりたくて恵美子さんと会ってたんじゃありません。あの人見てると、励まされるから…。ひどい」「いやいやいや、ごめんごめんごめん。いや、そういう意味じゃなくて、あゆみに、できるだけ早く、一人前の女性として自立してほしいとそう思ってるわけだよ。お金のことじゃないよ。お金のことじゃないよ。ほんとだよ」。大事なことなので二度言ったけど、言葉を重ねれば重ねるほど、嘘くさくなる夜明さんがつらい。

タクシーでの仮眠から目覚めたら、後部座席にいきなりおっさん三人が座っているのは心臓に悪い。

寝起きドッキリ

総会屋の件でもめて秋山が古賀を殺し、手下を殺された総会屋が秋山を心中に見せかけて殺害、知りすぎた金子も殺害、という筋で捜査は進んでいるが、神谷さんは、殺害の手口がやくざらしくない、と違和感を持っている。恵美子に対する疑いを察した夜明さんは、これを否定。ここの場面、いつもの子供の喧嘩ではなく、目と目で通じ合っていたのが、なんだかかっこよかった。

恵美子が自宅で何者かに後頭部を鈍器で殴打され、昏倒。救急車で病院に運ばれる。駆け付けた夜明さんに、黒い目出し帽をかぶった大柄な男に殴られた、1時間くらい気を失っていたらしい、気づいたら病院だった、と話す恵美子。
東山に電話をして捜査状況を確認する夜明さんに、「できすぎているとは思いませんか」と言う神谷さん。「神谷、お前、まだ恵美子さん疑ってんの?彼女はご主人を亡くし、自分も暴漢に襲われた被害者だよ。お前、知らないかもしれないけど、彼女は貧しさをバネに、自分の夢を掴んだ立派な料理人だよ。人間的にも素敵な人だよ。あんな人を疑うなんて、お前とはもう、絶交!」。絶交ってw さっきかっこいいと思ったのに、台無しな子供のけんか。

恵美子の思い出を辿るために、小田原の洋食屋さんを訪れたあゆみちゃん。そこで、17年前に、恵美子の母が、別れ話が拗れた男性に殺害され、その男性も自殺した、という事件があったことを聞く。
「恵美子さんにこんな過去があったなんて。こんなこと知るために、行ったんじゃないのに」と嘆くあゆみちゃんに、「あゆみ、お前、人間書きたいって言ったよね。だったら事実は、しっかり受け止めなきゃ。それが取材ってもんだろ」と諭す夜明さん、かっこいい。

絶交しているけど知らせた方がいいと思って、と神谷さんに恵美子の過去を教える夜明さんと、絶交しているけど小田原での捜査に夜明さんのタクシーを使え、と指示する神谷さん。神谷さんがそう言っていた、と聞いて、静かに笑いながら東山たちに後部座席に乗れと指さす夜明さん。どちらも意地っ張りだけど、かわいいかっこいい。

小田原での捜査で、恵美子の同級生から、17年前のマスコミの報道がひどかったとの情報を得る。恵美子の母が男をたぶらかしていたんじゃないか、とか、恵美子も関係しているんじゃないか、とか、あることないこと書かれたらしい。夜明さんは、恵美子のマスコミ嫌い(店への取材に対しても激しく拒絶していた)はこのときの経験に根ざすもののようだ、と推測。

恵美子の部屋から総会屋の下っ端やくざ川上の指紋が発見される。恵美子を襲ったのは川上、一連の殺しもやはり総会屋がらみだった、ということで事件解決の雰囲気。

夜明さんの目の前で、夜明さんの同僚が交通事故に遭う。救急車で病院に運ばれたが、幸い、脳震盪のみで済んだ。だが、事故の瞬間はもちろん、なぜ事故現場付近を走行していたかも記憶がないという。
それを聞き、恵美子が頭を殴打され気を失ったのに、犯人の特徴を記憶していたことに違和感を覚える夜明さん。さらに、公園で見た地方版の新聞から、恵美子の証言にあった矛盾に気づく。このあたり、事件の真相に気づくカギとしてそれほど無理がなくて、いい。

記憶しているはずがないことを記憶していたこと、東京の新聞には載っているが川越の新聞には載っているはずのない記事を読んだと言ったこと、金子殺害のアリバイトリック、それらに関する夜明さんの推理を「すべて夜明さんの推測ではないか」と論難する恵美子。これに対し、「あゆみ、あなたの生き方に感動していました。家族の死を乗り越えて、夢を現実のものにした、あなたの前向きな生き方に。しかし、今のあなた、前向きに生きているとは私には思えない。あなた、イタリアのコモ湖で死ぬつもりですか。あなた、その湖が心の原点だとおっしゃった。そこで死ぬのもいいのかもしれない。けど、それでいったい何になるんです。死んだお母さんが喜ぶと思いますか」と静かに説得する夜明さん。コモ湖で死ぬつもりか、それもいいかもしれない、とドライなことをいう夜明さんが好きだ。

恵美子の告白タイム。17年前の事件のときの、マスコミによる興味本位、無責任な噂と人権無視の報道。「母は被害者なのに。母は二度殺されました。窪井に殺され、そして、マスコミに殺されたんです」という言葉が印象的。
そんなマスゴミの一人が古賀。母が殺される前に恵美子もレイプされていた、と報道。町の噂になり、恵美子も小田原には居づらくなって、上京。その後は秋山と結婚して、念願の店も持てて、と順調だったが、梨花を奪われたと逆恨みをした古賀が秋山を恐喝。古賀は、恵美子のことも逆恨みしており、秋山は古賀に恵美子を差し出すことで自分を守った。悪良太はしばしばお目にかかるけど、ここまでゲスいのは初めてかも。極悪良太。
恵美子が古賀を殺害。古賀に恐喝され、付きまとわれていた秋山と梨花に、祝杯と称して毒ワインを振る舞い殺害。秋山と梨花の心中に疑問を持ち、恐喝してきた金子も恵美子が殺害。今回、ヒロインが凶悪な感じがするのだけど、それは、それほど悪いとは思えない梨花を殺してしまったからかな。

エンディング。夜明さんが刑事時代、いいブンヤさんから聞いた言葉。「情報っていうのはその字のとおり、情けがなきゃいけない」。この言葉にも触発されたのか、あゆみちゃんは大学院に行ってマスコミの勉強をしたい、とお願い。受験料3万5000円、学費120万円、と聞いて目が若干虚ろになる夜明さんがかわいそうだが、前回(ビューティーアカデミーでアメリカに留学)のことがあるからか、ずいぶんまともな選択肢のように思えてならない。あゆみちゃんは策士だな。

事件の筋と容疑者が次々に入れ替わるが、それが無理なく進行していると思えるので、事件自体、面白かった。極悪すぎる良太と嫌味すぎる石丸さんを見ることができるのも嬉しい。なによりオープニングが、トップ3に入るくらい好き。ヒロインがそれほど悪くない人間を殺してしまった点が若干もやもやするけど、全体的には好きな回。

エンディングテーマ。ZARD 「promised you」