そしてその後
洋服に着いた
野良猫タヌちゃんの匂いにうっ、ときたり
かまくらベッドの片付けをしたら
タヌちゃんによく付いていた
ひっつき虫を見つけ
うっ、ときたり
タヌちゃんが
いつも寝ていた草の上を
家の中から無意識に見て
その度にうっ、ときたり
亡くなったときは草の上だったが
カラスがずっとうろうろしていたので
埋める直前まで2、3時間
白い布の上に花と共に寝かせて
ハウスだったボックスに入ってもらっていて
だから
その片付けをしたとき
タヌちゃんに飾っていた花が
一輪だけ出てきて
うっ、ときたり
こうやって
記事を書いたり
写真を見ながら
うっ、ときたりしたが
少しずつ少しずつ
覚悟をしながら
最期を迎えて行ったし
一瞬一瞬
味わいながら過ごしてきたので
大きく心が揺さぶられることもなく
泣くこともなく
毎日を過ごしていた
でもやはり
この夜のことは
まだスッキリしていなかった
「これで良かったのか…」
と…
頭では
深いところでは
〝人生には、絶対に、最善な事しか起こらない〟〝起こったことは全て最善でしかない〟
とはもちろんわかっているが
まだ
わたしの全てでは
スッキリしていなかった
でも
あるとき
「やっぱり最善でしかない」
と思った、〝決めた〟
だからといって、決めればいい、ということでもなく
決めるにも、タイミングがあると思う
そうしたら
わたしの全てで
「これで良かった…」
と思った
自分への感謝が
爆発した
「タヌちゃんも
同じ気持ちだったのかもしれない…」
と号泣した
そして
わたしのしたことも
「そりゃそうよ…」
と思った
と、同時にやはり
この夜の
そして
タヌちゃんと
苦しいくらい純粋で
爆発した時間を過ごしたことを
思ったとき
どこか自然の中か
わたしの家で最期を迎えるならわかるが
それ以外で…というのが
それがタヌちゃんへのわたしへの愛かもしれない
とも思ったが
どうしても落ち着かず
という気持ちは
味わい尽くさなければいけない…
と思った
味わい尽くすだけでなく
色々な方法はあると思うが
わたしは味わい尽くさなければ…
味わい尽くして、その先に出たい…と思った
物凄く軽やかで
それこそ風の時代の
死に方、別れ方だったのかもしれない…
と思った
そして
やっぱり
狂ったあの夜が
素晴らしすぎて爆発し
もう、
もう、