この話は
これで一旦終わりかな…
と思い
タロちゃんは
どこかに横たわり
風雨にさらされたり
蟲がわいたり
カラスに突かれたり
しているのかもしれないな…
と思っていた
そうしたら
長女がふと
たまにタヌちゃんが入っている
小柄の雌猫のタヌちゃんの
秘密基地のような
タロちゃんのお父さんであろう
クロちゃんも
カラスも入れないような
うちの前のこの
ガス会社の小屋の
地面との隙間から
中を覗いてみたら
「タロちゃんがいる…」
と言った
そして
わたしも覗いてみたら
何か黒いふわふわの
同じ大きさや色の塊があり
わたしは
絶句し
「よくわかったね…
よく見つけたね…」
と言い
長女は
「タヌちゃんがよくここに入っているから
たまに覗くけど
いつも無い物があったから…」
と言った
そして
「どうしようか…」
と言い
「でもやはり
手は出せないな…」
とわたしが言うと
長女も
「ここはタヌちゃんの
宝物ボックスみたいなものだし
ここならカラスも入れないし
虫もほとんどいないから
と思って置いたのかな…
そのままがいいね…」
と言った
そして
最近タヌちゃんが
うちの周りで
いつも獲物を獲ったときに
鳴くので
わたしは
タロちゃんが
うちの近くや庭にいるのではないか…
とずっと探していたが
いなかったのだが
「ここにいたのか…
タヌちゃんは
またわたしに教えてくれたのか…」
と
もう、もう
また爆発した
そして
いつかタヌちゃんに
死が訪れても
タロちゃんとずっと一緒なら
悲しいけど嬉しいな…
と思った
