そして
タヌちゃんは自分が
命懸けで産んだ子猫が
死んで
その子をどこかへ
運んだあと
一人でわたしのところに
戻ってきた
そして
いつものように
わたしにスリスリと甘え
お尻トントンをせがみ
毛繕いをしている姿を見て
その
何事もなかったような様子に
わたしはまた爆発した
そして
タヌちゃんが
子猫を見せてくれたことで
もしかしたら
産んでいる可能性はあるな…
と思っていたことが
現象として現れ
まつやま絵画教室の
松山広視先生が
と言われた言葉を思い出した
そして
まだ他に
赤ちゃんがいるのかいないのか
生きているか死んでいるのかも
わからないが
どれであってもいい…
どれであっても美しい…
と心から思った
そして
大好きな
恋をして
子どもを産んで
生まれて
見せてくれた奇跡に
声を出して泣き
タヌちゃんとクロちゃんの子だからと
亡くなった子を
〝タロちゃん〟と名づけた
そして
タロちゃんの存在に
この出来事に
震えながら
過呼吸になるほど
泣き続けたら
タロちゃんへの
どうしようもない
悲しみや思いは
いつしかなくなり
ただ
どうしようもない愛おしさと
生まれてきた喜び
会えた喜びだけが
爆発するようになり
そのことにまた
爆発した