父の透析 2. | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
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そして










主治医は
会ってすぐに
「(父には)
腹膜透析が良いと思って…」
と言い










前日の説明のときには
医師がどちらかの選択を
積極的に薦めることはない
と聞いていたことと












わたしが望んでいた選択を
先生が薦めてくれたことと
開口一番にそう言われたことなどで
もう、信じられなかった












そして
詳しく話を聞くと










在宅での
腹膜透析には
日中に3、4回
手動で透析液交換を行うもの(CAPD)と
寝ている夜間に透析を行うもの(APD)が
あると言い











夜間はまた特別で
父は選べないのかと思ったが
父も選べることがわかり









わたしは
在宅での腹膜透析は
透析液とお腹のカテーテルの接続が
一番緊張するので
その回数が少ない夜の透析のがいいし











寝ている間に機械が
透析液の排液と注液をしてくれるなら
それは楽なのではないかと思い
「それがいいです」
と言った











そして
腹膜透析(PD)は
血液透析(HD)より
体や心臓に負担も少なく
患者にとって楽で
食事制限も緩和されると言い









わたしは父も母もこれまで
本当に真面目すぎるくらい
食事制限をしてきたけど
透析という結果になり











それならもう
残り少ない人生は
もっと父には
食べたい物を食べさせてあげたいし
母には楽をさせてあげたいし
二人とも楽しんでほしいし

とは言っても、もう腎臓病食を長年食べているので
それに口も体も慣れてきたので
それ以外の物を食べたがることはほとんどない











父は
繊細なところがあるので
心臓や血圧に負担がかかる
血液透析より
毎日でも体に負担の少ない
腹膜透析のが合うのではないか
と思い









「やっぱりそれがいい…」
と思った












そして、でも
血液透析は
血管が詰まったりなどの
大変さはあるが
場所を変えれば限界は少ないが










腹膜透析は
腹膜への負担から
早いと2年、長いと10年
平均で5〜8年で
腹膜に限界がくるので
限界が来たら
血液透析に替えることになると言い











でも
父はもう80歳になるし
もうこれ以上の延命治療をするつもりもない
と両親と話しているので
そのような話しをすると











「このまま寝たきりになっても
透析に通う必要もなく
死を迎えられる」
と主治医は言い











初めて主治医と医師と
父の最期について話し
それはとても穏やかなもので
わたしは物凄く安心し  











やはり
「これがいい…」 
と思った












そして
父のかかりつけ医院は
腹膜透析患者を抱えきれないこともあり
患者それぞれの選択もあり
血液透析が95%を占めていて









 

それは
血液透析患者何百人に対し
腹膜透析患者は10人程度
だと言い












在宅透析になるため
本人の処置や管理能力も必要だが
家族のサポートも必要で
それを心配性の母は
一番心配しているのだが











先生は
「皆さんなら大丈夫です」
と何度も言ってくれ











それは
6年主治医として
父を診てくれていた事や

母も
今は完治したが持病があり
同じ病院に通院していて
父の主治医にいつも挨拶をし
良好な関係を築いていた事や

その母が一生懸命
父の制限の多い食事を作り
父も文句も言わずそれを食べ
ずっと数値が安定していた事や

わたしはこの日は
主治医にお会いしたのは
三度目だが
二回目の前回に
いい分かち合いができたと感じた事や

わたしがその時に
ほとんどの人がその選択に立ち止まらない
在宅での腹膜透析に大きな関心を示し
熱心に質問をした事や

その主治医はたまたま
うちの家のご近所さんのお宅の妹さん
そのご兄妹のお母さんは昔父と
趣味でご一緒した事や 笑

わたしが両親と二世帯で暮らしたり
父と母とわたしの三人の会話などから
チームワークの良さなども
感じてくれた事など










多分
普通の患者以上の情報や縁を
総合的に診て感じて
そう判断してくれたのがわかり











だから
先生にそうはっきり
言われたわけではなかったが











わたしは
「ああ、誰にでも
腹膜透析は薦めないのかもしれない…

腹膜透析はこの病院の場合
やりたくてもできるものでは
ないのかもしれない…」
と思った

主に在宅老人看護や看取りの仕事をしていた
親友の看護師にこの話をすると
腹膜透析の人は見たことがないと言い
医師が腹膜透析を薦めているのも聞いたことがなく
だからやはり誰にでも薦めないと思う、と言っていた









そして
それだけでなく
この日は













このときの
父の主治医に付いていた
看護師さんが
たまたま










約1か月前の
母の定期検診のエコーのときに
お世話になった看護師さんで











それも
エコーは体にゼリーを塗るので
ゾクッとするので
いつもカイロを貼っていくのだが
母がこの日はカイロを貼るのを忘れたため














「カイロを買いたいのですが
病院内に売店はありますか?」
と聞き











「無いので、
わたしが持っているのをあげますよ!」
と言って下さった
























それをその日帰宅後母は
「愛子に話したくて!」
と喜んで話してくれて
二人で感動して










後日母は
その方にカイロ5個と
お礼のお手紙を渡したいと言うので
わたしがラッピングをし












母は
その方の名前を覚えていなかったので
直接は渡せなかったが
玄関にみえた
コロナ対策の看護師さんに事情を話したら
「探して必ず渡しておきますね!」
と言ってもらったと
喜んで帰ってきて











そうしたら
この日の玄関に
たまたまカイロと手紙を預かってくれた
その看護師さんがいて










母とお互いが覚えていたので
「あの時はお世話になりました」
「カイロ、確かに渡したからね!」
「ありがとうございます!」
という会話をして
喜んだ後に












母が
「あの時のカイロの看護師さん
どなただったかな…
お会いしたいな…」
と言っていたら










前回わたしが父と
主治医に会ったときは
その看護師さんではなかったが












今日は
たまたまその看護師さんで
看護師さんも母も顔を見て思い出し
「ああ!あの時の!」となり
盛り上がり 笑











父の主治医は
その話を知らなかったので
わたしが説明をしたら
先生も笑顔で聞いてくれて











透析の説明を受けるという
一見ネガティブになりがちな現象の中で
その日のわたしたちは












何か 
想像以上の流れと縁と奇跡で
色々なことが
バチバチとはまり










診察室を出たときは
母と二人で
「何、この流れ…✨✨✨
楽しかったね✨✨✨
羽が生えたみたいに体が軽くなったね✨✨✨」










まるで
TDLかコンサートに
行ったときみたいに喜び 笑











病院内なのに
三人で写真を撮る
というはしゃぎ様で 笑










父もその後何度も
その流れと奇跡と縁に
「あれは凄かったな…」
と言っていた