親友 14. | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.





 










親友が
天職だった看護師を
辞めた













それは
ありのままの自分を
生きたいという
欲求に













もうこれ以上
嘘をつけない
という











美しく生きる人間の
自然な純粋な
本能で










去年末くらいから
少しずつ
動き始めていた











でも
看護師長だった彼女は
職場の内情を誰よりも知る自分が
そう簡単に辞められるとは
もちろん思っておらず









その通り
なかなか事は進まなかった
と言うが









そんな職場の事情と
自分の純粋な本音の
バランスを取りながら









そして
プライベートでも
彼女は自分にできる
精一杯の事をしながら
自分もどこまでも大切にしながら









一瞬一瞬を大切に過ごし
薄皮をめくっていくように
少しずつ現状が動いていった
ようだった











そして
辞職に伴い
猫が飼える賃貸の一軒家
どうするか、となり









そんな時
一緒に暮らしている
会社員の息子さんが










今の住まいから
1時間くらいの所に在る
彼女の出生地で
息子さんの職場が
かなり近くなる












彼女のお母さんが遺した
マンションへの引っ越しを
提案したと言う












でもそこは今は
生涯独身で高齢の
親友のお母さんのお姉さんが
間借りしているので










それは同居となり
彼女は最初難色を示した
と言うが











ある時
ああ、そうしようか…
と思ったと言い
そんな自分にびっくりした
と言った










そして
退職まで半月を切った
7月の中頃









叔母さんの
サポートをしていた
マンションの近くに住む
親友の妹さんから
叔母さんの具合が悪くなった
という連絡がきたと言った











それまで叔母さんは
90歳近くで多少足が悪かったり
持病などはあったらしいが










親友の妹さんに
助けてもらいながらも









認知症もなく
寝たきりでもなく
食事も普通に食べられ
趣味を毎日楽しむ
自立した生活を送っていたので
それは突然のことで











腰が痛いと言うので
かかりつけ医で検査を受けると
余命3ヶ月くらいの
胃ガンだと宣告された
と言う









それでしばらく
入院したというが
食欲なども変わらず
突然死の可能性も低いだろう
ということもあり










親友の妹さん宅に
連れて帰り何日か過ごし
その間に会いに来てくれた人もいた
と言うが









でもやはり
痛みがあるため
再度入院し









その2、3日後親友が
お見舞いと
今後の相談を医師とするため
数ヶ月ぶりに叔母さんに
会いに行ったと言う










そして
先に医師と話をし











その後病室に行き
叔母さんと妹さんと
今後の相談をしようと
叔母さんを見たら











もう、もう、見る見るうちに
叔母さんの呼吸が
変わっていき










「え、この呼吸は…」
と思い
医師をすぐに呼んだが










院内の医師の到着を
待つか待たないかというくらい
あっという間に
亡くなったと言った









そして
いつも冷静で
たくさんの看取りをしてきた
彼女が












「本当に、本当に、一瞬だった」
と興奮気味に話すほど
それは衝撃的だったらしく






  



また
彼女の人生に
わたしたちの世界に









爆発的な出来事が起こった
と思った













だから
叔母さんは
ガンと宣告され
1、2週間で亡くなり











寝たきりになったのも
2日くらいで
オムツも病院の都合で
2日くらい着けただけで
会話も直前まででき








痛み止めなどは
飲んでいたというが
大きく長く苦しむこともなく 
だから
介護もほとんどなく









ああ、もうやはり
わたしたちの世界から
介護という言葉は
消えていくんだ
と思った









そして
その葬儀の日は
親友の最後の出勤日だった
と言い









その前から
計算をしながら
有給消化をしていたが
なぜか1日余っていて











でも
結局叔母さんの葬儀が
忌引扱いにならなかったので
その一日がお葬式の日に
使われたと言った










そして
葬儀の日は










生涯独身で
自由気ままに生きてきた
叔母さんだったし









もう
兄弟など
近親者は皆
亡くなっていたが










親友と親友の妹さんだけでなく
その子どもたちも
関係は遠いのに参列し











さらには棺も
その若くて素敵な
息子さん達に担がれるという
もうどれをとっても幸せでしかない
お見送りだったらしく











彼女が立ち会う死は
いつも本人も家族も
幸せな死でしかなく











親友の人生に起こる
親友が起こす
鳥肌と発狂ばかりの
こんな奇跡に









やはりそれは
彼女の才能だと
思った









だから
これから彼女は
このように、いや
こんなもんではなく









どんどん
仕事と生きることの
境界線を取っ払い










彼女が生きること自体が
才能を発揮した
状態となり









やはり
生と死に関わる
看護師を天職として











でも
今度は多分
肉体の死だけでなく











エゴの死や
という











より
精神的な世界へも
進みながら










次のステージを
生きていくのだ
と思った