でも
出産というのは
とても
プライベートなことなので
わたしは
行かなきゃ！
という気持ちを
自覚しながら
ただ
無限で
無言で
この出来事が
どう展開していくのか
黙って待とう
と思った
すると
電話の向こうで
友だちが
看護師さんに
「母子手帳を
関係機関に取りに行ってほしい」
と言われているのが
聞こえた
でも
彼女は娘さんと
救急車で産院に来たので
車が無く
「あ、わたし、車がなかった！」
と言っていて
わたしは
だから
「あ！やっぱり、行かなきゃ！」
と思い
急いで
産院に
彼女を迎えに
行った
そして
車に乗って
人生の
この思わぬ
ハプニングに
二人で
泣き
笑い
抱き合い
発狂した
そして
二人で
その子どもたちが
小さいときに
よく通っていた
その施設に
母子手帳を
取りに行き
まさか
あのとき
その２０年後に
「こんな形で
ここにくるなんて
思わなかったよね…」
と
二人で
夢か現実か
わからぬ中話した
