天地がひっくり返る 1. | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.















2歳で障害を負った息子
恥ずかしいという概念が少なく
またそこに感覚の問題や
不器用さもあり







たまに洋服を
前後ろ、表裏反対に着たり
シャツを履いたり
カーディガンやジャケットを
上下逆さまに着たりしても
平気でいる








そしてそれを
息子が通う
まつやま絵画教室
松山広視先生
話したら








「絵画の世界では
それがいいんです」
と先生は言われた










それは
「絵画の世界では
誰かに見られていることを気にする
ということがいらなくて

プロであれアマであれ
みんなその感覚を排除するために
必死になり

その感覚に辿り着かないまま
命を終える人もいるが

凜くんは最初から
それが取っ払われているから素晴らしい」
と先生は言う










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また息子は
洋服を着せられたらそれ
気温がそれならそれ







暑かろうが
寒かろうが
文句を言わずそれを
受け入れる所があり








それは
ともすれば
命や体に問題を
起こしかねないのだが








先生はそれも
「だから凜くんは
どんな道具も受け入れ自然に馴染み
道具や絵と同化することができる
と言われ











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また
「わたしたちがサインを書こうとすると
どうしてもわざとらしくなるが

凜くんがほとんど字が書けない
ということが
絵画の世界ではプラスに出て

サインがとても自然に
味のあるものになり
それは真似ができない」
と言われた









そして
息子が2歳で障害を負って
一番機能が低下したのが
一時期全盲になった視力と










一才のときから
二人の姉と一緒に
小さい丸をたくさん描いて
お絵描きをしたり









段ボールに入っていた蜜柑の
皮と白い筋をひたすら剥くなど
物凄く器用だった
手の機能で









だから
息子に絵の才能が現れたときに
まさかあのとき絶望した
視力と手の機能を使うことが
息子の天職になることにも驚き











本当に絵画の世界では
長所と短所
絶望と希望の
天地がひっくり返っている









だから
それからわたしは
誰に対しても少しずつ
長所と短所に善悪をつけなくなり
長所も短所も
ただ〝個性〟として
ワクワクするようになり







どんな人にも
わたしたちにも
ありのままの個性で
輝ける場所は
既に用意されていて








息子のようにそれは
見つけられるのを
ただ待たれているだけかもしれない
そう思う