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言葉で写真を撮ろうか

海津の手元には自分の写真がない。だから代わりに言葉で撮る。だって物書きだもの。


 BOOK・OFFに本を買いに行くついでに、漫画コーナーに立ち寄って少女漫画を読んでいてつくづく思うのです。わたしゃベタに弱いんだな、と。

 そういえば他人ののろけ話も楽しく聞けますし、寧ろ自分が間に入り込んで、三角関係に持ち込むことで、ぐっと展開が盛り上がり、ハラハラドキドキするのでは?とさえ思う。

「ごめん、あいつのこと好きかもしんない」

「!?」

続く。みたいな。

 制服のパンツをやや腰穿きしてですよ。シャツの第二ボタンまで空けて、ネクタイをラフに締める。帯刀が許されているなら、こんな奴ら即切りますけどね。


 で、思い出したんですけれど、大学のいつだったか、冬になると坊主頭にするという習慣をとある先輩に教わりました。

 コタツに入って他愛のない話をしながらおでんをつついていると、


「にゅ~ん」


と、いきなり頭にバリカン入るんです。最初は何が起こったかよくわからんのです。襟足から側頭部にかけて弧を描いてにゅるっと。髪、ぱさ~。


 この時歴史は動くわけです。人生の岐路は突然やってくるのです。つまる、つまらないの道です。


「寒っ!」

 髪がなくなることによるよって、風邪を引きました。


「そうか、じゃあおでん食え。暖まる。この季節は油断大敵ですからな」


 頭に弧のラインが一本入った絵はシュールです。先輩はといえば、おでん食いながらバリカンで髭そっていて、そのまま勢いでジョリジョリ頭に入るわけです。

「お?」

 お?じゃないよ。まるで他人事のように嘯(うそぶ)く。で、このボウズ頭のことを禿げと呼んでいて、それがいつの間にか周囲に広まって禿げと呼ばれる。

 なんか禿げになるとね、恋したくなるんです。でも、モテないんですよ。だって、禿げだから。無い物ねだりですわね。

 しばらくの間、禿げ=モテないの図式は頑(かたく)なに守られる。髪があるだけで、

「なんだお前、あれか、リア充か?モテるんだろう?」

呼ばわり。で、

「別にモテないですよ」

というと、

「だろう?だってお前禿げてないもん」


 生殺与奪は常に禿げにあって、禿げを中心に世界は回る。禿げには常にアドバンテージがあるわけです。失うものはもう何もないわけですから。自然、心のゆとりが生まれてひとに優しくなれる。禿げは優しい。そして実らない恋をし続ける。


 春になると、若草がそよそよと風に揺れるように、頭が豊かなことになる。


「禿げはやっぱりモテんなぁ…」


といいつつ、頭をさわる。周囲の目も物悲しさに満ちている。一つの季節が終わりを告げて、また新たな季節が始まる。


 少女漫画のコーナーに行くと、よく禿げの群れがいるでしょう?それは恋を託して、また求めてもいるから。



 今年の冬?しないよ、モテないもん。