子どもたちとテレビを見ていたら
kiroroのBest Friendが流れてきました。
連続テレビ小説
ちゅらさんのテーマソング。
ちゅらさんの放送シーズンは
入院していた時期だったので
この曲を聴くと
病院の香りを思い出します。
入院して7ヶ月経った頃だったと思います。
循環器科病棟の
クリーンスタッフの女性が
わたしのところまで来ていいました。
このテレビ壊れてるからね
ごめんね
調子が悪いから変えようね
え?問題なく使えていますよ
壊れてるから ごめんね…
そういって
手早くコードを抜くと
コロコロと運んで行きました。
どこか調子が悪い所があって
自分では気付かなかったのかな?
と思いました。
新たに持ってきたテレビを
ささっと設置し
お待たせしてごめんね〜
といい
そのまますぐ部屋を出ていきました。
わたしはテレビを見ようと
テレビカードの差し込み口を探しますが
どこにもありません。
あれ? カード入れる場所
どこにあるんだろう?
テレビの電源ボタンを押すと
普通のテレビのように使えました。
あ!これもしかして…
すぐにその女性を探しに
その時の自分が一番早く歩ける速さで
居そうなところを探すと
見つける事ができました。
あの…すみません
さっきテレビを交換して頂いた
●●ですが…
わたしが出そうとする言葉に被せるように
しーー🤫
女性は 首を横に振って
これ以上先を言ってはいけないと
目でアイコンタクトしてきました。
ごめんね…あのまま使ってね…
壊れているからね。
それから
小さな声で耳元でいいました。
だれにも言わないでね
そのまま 次の作業場まで
行ってしまいました。
あの…ありがとうございます!
女性に向かっていうと
わたしに背を向けたまま
うんうんと頭を前に振って
カートを押しながら
そのまま行かれました。
他のスタッフがいる事に気を遣い
こっちを振り返らない女性の姿を見て
涙が出てきました。
本当はあってはいけない事ですが
その女性のお陰で
テレビカードを使用せずに
テレビを見る事が出来ました。
長期入院児にとって
これがどれだけ有難い事か…。
テレビカードを使いすぎちゃいけないと
親に気を使っていた事もあり
あの女性の優しさに
今も有難くて胸がいっぱいになります。
それから数日たった 午後。
その女性が
わたしのベッドまで来られ
小声で話しかけてくださいました。
問題なく使えてる?
はい。あの…有難う御座います。
どうしてこんな事してくれたんですか?
なんだっていいの
調子が悪くなったら教えてね!またね!
わたしが入院していたのは
小児科ではなく
一般病棟でしたので
大人に混じっていたわたしを
気遣ってくれたのだとおもいます。
思いがけず
kiroroのBest Friendを聴くと
やさしい思い出が次々と蘇っていきました。
病院の大浴場へ はじめて行った時の事。
一番乗りで まだ誰もいませんでした。
大浴場の大きな鏡を見ると
シャワールームでは気付かなかった
自分の身体の異常に
鏡越しで気付く事になりました。
現実を突きつけられた感じがして
大きなショックを受けました。
心が固くなったまま 身体を洗い
その後 お風呂へ入ると
女性がひとり入ってきました。
2人で広い浴場で丸裸で
病気や治療の事
お見舞いに来てくれる人の事など
色々な話をしました。
最後に女性が言いました。
たくさん傷付いて
たくさん優しくなりなさい。
元気になったら
あなたは誰よりもそんな気持ちで
人と関わる事が出来るから。
わたしも今ね そんな気持ちでここにいる
一緒にがんばろうね!
その言葉が心にスーーっと刺さりました。
その言葉は
わたしの深いところへ ポ〜ンと
ピンポン玉を落下させたように
着地して想像させ
またここへ 意識が戻ってくると
導きをくれました。
もっとよく自分の身体を見ておこう
今のどうしようもなく
恥ずかしい自分をよく観察しておこう。
っという思いが湧き
大浴場の鏡を使って
前からも後ろからもよく見ました。
傷つく事に恐れると真面に見れませんが
傷ついていいんだと思うと
真面に見る事が出来ました。
見ていくうちに
不思議とよし元気に絶対なるぞ!という
強い気持ちもくっついてきました。
それは
ピンポン玉が跳ね返るように
底辺の自分と高辺の自分の意識を
ポンポンと繋げているようでした。
全てを受け入れることができると
大浴場へ来たばかりの時の自分とは
全く違う別人にも思えました。
人生を一歩進められるタイミングの時。
家族や友人や知人や何かの仲間でもなく
利害関係のない存在が
一推しをくれる事があります。
もちろん身近な方の支えは大きく影響を受けています。
こういう あたたかい方々の存在は
今のわたしの1粒…2粒…
それ以上の種を蒔いてくださいました。
それは今も変わりません。
わたしがあなたの言葉を
どれだけ大切にしているかという事を
あなたは知らないけれど
わたしの中では
その種が ぐんぐん育っていて
いつも一緒に成長している
いつもそばにいる
という前提で ここにいます。
種まくやさしい世界
このせかいが
ひろがりおおきくおおきくおおきく
なりますように
りもっちママのあるがママなすがママ。