夫が、胃瘻を造設してから半年後。胃瘻を交換しないといけません。今年最後の大仕事です。ちょっと大げさですが、私にとってかなり緊張感のあるイベントでした。
「どのように夫を病院に連れていくのか?」、「処置はどのようなものなのか?」、「費用は?」と色々と不安や疑問が渦巻いていました。
その1か月前ごろに、介護ホーム(介護付き有料老人ホーム)のケアマネさんに相談しました。訪問診療の先生が、胃瘻を造設したときの総合病院に予約をとってくれて、紹介状を書いていただけることになりました。送迎は、介護ホームの車に車椅子ごと乗っていけるとのこと。
自分で介護タクシーを予約して行かないといけないと思っていた私には、なんてありがたいことと、とても嬉しく思いました。
処置自体は15分程度で済む簡単なものだと、介護ホームの看護師さんが教えてくれました。
そして胃瘻交換の当日、車椅子に夫を乗せてもらい、かなり早めに介護ホームを出発しました。病院では、私が車椅子を押していろいろ手続きもします。初めての車椅子の扱いも不安だったのですが、あらかじめブレーキのかけ方や、背もたれの倒し方等を介護ホームの介護士さんから教わっておきました。夫のために色々な方にお世話になっていることを身に染みて感じます。
早めに病院に着いて、紹介状の窓口で手続きをしたあと、診察室の前で問診や血圧等を測りながらも、1時間くらい待ちましたが、夫に色々楽しく話かけたりして、時間はあっと言う間に過ぎました。そして処置室へ。ほんとに処置は15分くらいで済みました。今回、バルーンタイプの胃瘻に交換してもらいました。これだと次回は、ホームの訪問診療の先生に交換してもらうことができ、病院までわざわざ出向く必要はなくなります。これでまた心配のタネがなくなりました。
お会計は、重度心身障害者医療費助成のおかげで、ゼロ円でした。ありがたいことです。帰りにちょうどよい時間に介護ホームの車がお迎えに来てくれて、スムーズに帰ることができました。車の費用もかかりません。介護タクシーを利用したら、往復2~3万円はかかると思います。感謝です。
帰り路の車窓から見える景色に、
「ここはよく行ってたショッピングモール」
「こちらに曲がると、〇ちゃん(息子)のアパートだよ」
「ここは昔行ったことあるイタリアンレストランだね」
と私が声をかけると、夫はちらっと見たりしました。
こうして一緒にドライブするのも最後になるのかもしれないなと、感傷的に思ったりもしました。
夫を介護ホームの部屋まで送り届けて、介護士さんに車椅子からベッドに移してもらい、看護師さん、ケアマネさんに報告したあと、部屋で少し一緒に過ごしました。
少し大変で不安なこともあったけど、とても貴重な、いい時間でした。
帰宅する途中で、がんばった自分にプチご褒美ということで、美味しいセットメニューで、一人飲みしてみました。