むかし、どうしようもなく
ひどく自分に絶望したことがあった。
自分がこんなに弱い人間だったなんて。
こんなにひどいヤツだったなんて。
こんなに苦しいのなら
いっそのこと
ここから離れてしまったほうが
いいんじゃないか。
ここからいなくなれば
楽になれるんじゃないだろうか。
こんな私がここにいちゃいけない。
胸の奥がギュッと掴まれるように苦しくて
涙がボロボロ出て
止まらない自己否定で
体の調子も悪くなって。
あのときは
あんなに辛くて
もうダメだと思っていたはずなのに
いま 私はここにいる。
上がったり下がったりしながら
それでも、いる。
どうやってあの辛い時期を抜けられたのか。
それはたぶん、
日常があったから。
心はボロボロでも
朝になれば目が覚めて
ご飯を食べて
排泄をして
仕事に行かなきゃならなくて
外に出れば近所の人にあいさつを返して。
自分の気持ちがどうであろうと
ずっと繰り返されてきた日常を
ただただ過ごしているうちに
いつの間にか辛い時期が過ぎていた。
もう、いっぱい悩んだ。
いっぱい考えた。
そしたら、今度は
「いま目の前にある日常をただ生きる」ことを
意識してみるといいかもね。
音楽家・演奏家の心をサポートする
あやちゃん(掛札文香)