こんばんは、獣医の磯崎です!
一度暖かくなって春到来かと思ったら、また寒くなってしまいましたね。。
僕は冬より夏の方が好きなので早く暖かくなってほしい・・・
そして、4月が近づき始めると狂犬病ワクチンはもちろん、プロ野球が開幕する時期でもあります。
今季はメジャーから上原浩治選手が巨人に復帰すると聞いて、一人興奮しておりました。
今でも上原選手がルーキーだったシーズンの活躍ぶりは忘れられません。
投球のテンポが良くて、先発上原の日は試合時間も短いし見ていて気持ち良かったです。
そのルーキーだった上原選手も43歳。年月が経つのは早いですね。もう一度雄姿を是非見せてほしいです。
さて、4回目の今日は横隔膜ヘルニアです。
まず横隔膜とは胸部(心臓・肺など)と腹部(肝臓・腎臓・膀胱など)を分けている膜です。
この膜が生まれつき欠損していたり、交通事故など強い衝撃によって破れてしまった状態を横隔膜ヘルニアといいます。
横隔膜が破れてしまうと、お腹にある臓器が胸の方まで来てしまうので肺が充分に膨らむことができません。
それにより呼吸をするのが苦しくなってしまいます。
だいたいの子が横になって眠ることは出来ず、座りながら眠るようになります。
治す方法としてはお腹を開けて、胸に行ったお腹の臓器を元に戻し、破れている穴を縫合することです。
手技はそこまで難易度は高くないですが、穴の大きさや穴が開いてからの時間によって生還率は変わってきます。
穴が開いてから時間がたちすぎると身体がその状態に慣れてしまい、元に戻す事で逆にショックを起こし手術中に亡くなってしまうこともあります。
そのため、呼吸は苦しいが手術をせずにそのまま様子を見ていく場合と、覚悟をもって手術に踏み込み完治を目指す場合との選択になります。
今回の子は野良猫ちゃんですが急に呼吸が悪くなったとのことで来院。
元気も食欲もないです。
レントゲンを撮ってみると・・・
本来なら身体の左半分は肺があるので心臓以外黒く映るのですが、この子は全面真っ白です。
膜が破れて肝臓と胃が胸の方に入り込んでいました。
さてどうするか・・・手術をするか室内で安静にさせて様子を見ていくか。。
連れてきた方との相談の結果、おそらく膜が破れて時間があまりたっていない事も考慮して手術に踏み込むことになりました。
これが手術後の写真です。横隔膜の修復をして、胸部は肺がしっかり黒く見えています。
麻酔からも無事に冷めることができました。
手術4日後には呼吸もすっかり落ち着き退院していきました。
その後もお家の中で飼ってもらっているようです。
たま~に遭遇する病気ですので呼吸が悪い猫がいたらぜひレントゲンを撮ってもらいましょう!
いそざき動物病院
平塚市南金目885-4