先日、栄養のアドバイスさせていただいている方から
「胃を守るために牛乳を飲んで膜を作るって聞いたけど?」
と言われ、
この概念は私も大昔によく聞いたのを思い出しました。
今になってこれは不思議だなと思ったのです。
これは一体、誰が言い出したのでしょう。
おそらく、戦後頃の牛乳が完全栄養食材のように持て囃されていた時代に
「空腹状態で薬は飲まないように」
「ご飯を食べる余力や時間がないなら、せめてお手軽な牛乳を飲んでから」
というようなお医者さんのアドバイスが
長年、問題視されず広まったものではないかと、個人的に思います。
しかし、これは万人に向いた適切なものでしょうか?
栄養学をある程度かじった人なら、腸粘膜を守りたいのに発酵すらしていない乳製品を摂取するなんて非常識だ、と感じるかと思います。
牛乳には健康の観点から真面目に見ると、問題点の方が圧倒的に多いと感じます。
本当に体にとってメリットを及ぼすのは、この食材に適応した遺伝子を持つ一握りの方々でしょう。
とりわけ、日本などのアジア系の民族は牛乳を処理するのに不向きです。
牛乳に含まれるもので問題なのは以下の二つ。
◯乳糖
◯カゼイン
乳糖は分解するのにラクトースという消化酵素が必要です。
しかし、このラクトースは母乳が唯一の栄養摂取源である乳幼児の時期は持っているのですが。
成長するにつれて減ってしまいます。
この消化酵素が少なくて乳糖がちゃんと分解されないと、
下痢をするなどお腹に不調をきたします。
「乳糖不耐症」という、ラクトース不足の人の割合は以下の通り。
日本人85%
アメリカ人(白人)8%
デンマーク人2%
数値から人種的に適していない食材であることがわかります。
次に、カゼインです。
乳に含まれるタンパク質ですが、特に問題なのは「A1型βカゼイン」です。
これは分解の過程で腸内で炎症を起こす物質になります。
全ての牛に含まれているわけではなく、
カゼインに突然変異を起こした特定の牛の乳に含まれます。
不都合なことに変異を起こしたカゼインは炎症を起こしやすいのです。
これを避けるには「A2型βカゼイン」の乳を選ぶと良いでしょう。
以上ことから、アジア人や日本人の遺伝子を持つ人体にとって、
牛乳は消化吸収に多くの負担を必要とし、腸内にダメージを与えること。
さらに炎症を引き起こしてしまうリスクがあることがわかります。
腸を保護する目的として飲むとしたら、
その出どころと根拠が不明な過去の風習は可能であれば更新した方が良いでしょう。
もし、牛乳の味が好きで飲むのであればそれは個人の自由です。
炎症や肌に問題が続いているのであれば、少し「乳糖」と「カゼイン」の影響を疑ってみてください。