漂流教室を読み直す② | 生きてる缶詰

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楳図かずお著 「漂流教室」(1972年~)
西あゆみ描き直し途中。難しす;^^
 
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西あゆみ、すなわちgo westの意味なんだろうか。
「西へ行け」とは開拓せよの意味と同時に破滅の意味もある。
 
親と死に別れ叔父にも疎まれ云々、、、
なんて不幸自慢かまして登場する小5女子。いわゆる薄幸の美少女。
のち、内に秘めたる口寄せの超能力が発動し、翔と母とを言葉でつなぐ役をになう。
彼女の能力が数々の大ピンチを救う事になるのだが、、、受難の人だ。
翔は出会ったその日から最終回近くまで何度も足の悪い西を背負い危機から逃れる。
翔にとって西は母につながる希望でもあり、現代に戻れる可能性を秘めた巨大な重い十字架なのだ。
キリストが磔にされる際に自ら十字架を背負わされていったのを連想させる。
こういう中二感覚の役どころ、漫画では魅力的。
 
西は翔たちを手伝うことによって自分の生きる甲斐を見出していく。
盲腸手術の際も、断られても積極的に参加し成功にひと役担ったり、彼女の成長過程も描かれていく。たぶん最終回の後、翔と結ばれていくんでしょう。
 

しかし、全巻読み終えた後ふと 最初の出会いの場面を読み返すと妙な事に気付いた。

「私、前から誰もいない世界に行ってしまいたいって考えてた」
「すると突然こんな世界(未来の砂漠)に来てしまったのです」

最終回。言葉を転送できるんなら物だって転送できるはずという、翔のトンデモ理論によってユウちゃんは実際現代に戻ることができた。
皆で円陣を組んで「現代にユウちゃんを戻したい」と念じて。
「するとユウちゃんは現代に戻っていった」のです
 
、、、、、
 
西あゆみは長野県への方向も間違ったまま、東京から歩いて行こうとしてた娘だ。
その方向感覚とスケール感覚をもった超能力者が物語の冒頭で「誰もいない世界へ行ってしまいたい」と考えていた、その際に大友のダイナマイトが炸裂し次元に裂け目が生じたら、何が起きるか。
 
教室が漂流した犯人は西あゆみかもしれませんねww
 
 
 
※以前 仲田君が描いた怪虫の絵を西が見つけ、怪虫退治の際 翔に見せにくる。
そんな昔の絵を束の中に見つけたぐらいだから、西は自身の描いた絵を先に見つけてたはずだ。
そこには、、、彼女の夢見た誰もいない遠い砂漠世界で微笑む西自身と学校が描かれていたのかもしれない。
「私は何を描いたか忘れてしまったけど!!」と言ってたのは嘘で、自分がタイムスリップに関わってた事を揉み消したかったんじゃないか、、、などと推測してみる。
 
 
 
                続く