[THE FARST SLAM DUNK] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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井上雄彦監督・原作・脚本・キャラクター・デザイン。江原康之脚本・作画監督。中村俊介撮影。武部聡志、TAKUMA音楽。22年、東映配給。

DVDにて鑑賞。90年、少年ジャンプに連載され、当時のNBAブームに重ねて大ヒットした[SLAM DUNK]を28年後に劇場版として原作者自身が監督。22年12月から昨年の夏まで大ロングランのビックヒット作品になった。

やっと鑑賞したが、感動したー!ここまで面白いとロングランになるはず、恐らく原作やアニメを観てない方でも、これは必見、観てなくても大丈夫です!

井上推彦は劇場版製作につき、主役をビックフォワードの桜木花道(木村昴)からガードの宮城リョータ(仲村宗悟)に切り替え、彼の亡くなった兄ソータ(梶原岳人)との熱い兄弟と母親カオル(園崎未恵)との確執と再生を物語の核に据え。バスケの天才だった兄の夢、インターハイ四連覇の山王高校とリョータたちが在学する神奈川の湘北高校との激戦の中で、それぞれのメンバーの回想を実に巧みに挿入している。
キャプテンのセンター赤木剛憲(三宅健太)、不良になり戻ってきた三井寿(笠間淳)、美男子の人気者流川楓(神尾晋一郎)のエピソードを試合の流れに即して挿入していく。そこはシリーズをご覧になっていた方がわかりやすいが、とにかく試合の見せ方が絶妙で、時にスローモーション、時にマッハのようなスピード感で展開させ、手に汗握る臨場感の試合場面を作り出している。桜木のモデルはデニス・ロッドマンであることは明らかだが、それぞれにNBAのトップスター達が重なる。
 東映アニメーションとダンデライオンアニメーションスタジオによる最新技術による映像、背景の素晴らしさをぜひご覧頂きたい。本物の海に見える波、宮城の故郷、沖縄の風景、試合の息遣い、汗。[巨人の星]に始まるスポ根アニメがここまで進化するかというほど最高の映像だ。
 そして、宮城がライバル視する山王のガード沢北とのエピソードもラストに生きていて、脚本も劇場版として楽しめるように実に巧みな構成になっていた。

一度、熱い感動が残り、また観たくなる、そんな傑作だ。