[リカ 自称28歳の純愛モンスター] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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松木創監督。三浦希紗脚本。五十嵐貴久原作。白石利彦撮影。戸田有里子音楽。21年、ハピネット配給。

Amazon Primeにて鑑賞。五十嵐貴久のサイコスリラー小説をTVシリーズ[リカ][リカリバース]をベースに後日譚として映画化された劇場版。

高岡早紀のサイコ・キラーぶりは凄いし、前半はその異様な世界観が怖いのだが、クライマックスでリカを怪物としてのモンスターにしてしまうと、興醒めだったなぁー!

山中でスーツケースに入った死体が発見される。被害者の身元は、3年前、逃走犯の雨宮リカ(高岡早紀)に拉致され行方不明になっていた本間隆雄。警視庁捜査一課の奥山次郎(市原隼人)は、潜伏中のリカをおびき寄せるため、偽名を使いマッチングアプリでリカを誘い出す。だが次第に“純愛モンスター”リカにのめり込んでいく。「やっと会える、雨宮リカ」――捜査と共にリカにのめり込んでいく奥山を心配する婚約者の青木孝子(内田理央)は、同僚の梅本尚美(佐々木希)と共に彼の部屋へと向かうが…。

ドラマ版もそうなんだけど、リカに罠をかけるうちに本作では次郎の方もリカにのめり込んでいく。そこが怖い。人間が徐々にイカれていく狂気。映画版は前作までの流れを手短に説明しながら、リカが本間をバラバラにしながら、植物状態でペーパードールに準えて、バックに流れる[人形の家]のごとく暮らしていた現実が提示される。このノリで最後まで展開してくれれば、最高のサイコ・キラーになったと思うのだが、これは原作がそうなのだろうか超人にしてしまうとそこで人間離れをしてしまい、怖さがなくなってしまう、やはりホラーとかサイコサスペンスは人間が起こす犯罪だから、怖いのだと改めて感じてしまう。

でもこの展開だと、まだ続きそうな終わり方なので、次回は本格サイコ・サスペンスとして、撮ってもらいたいと感じた。