[ミスティック・リバー] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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クリント・イーストウッド監督・製作・音楽。ブライアン・ヘルゲランド脚本。デニス・ルヘイン原作。トム・スターン撮影。03年、アメリカ映画。

スカパー、ザ・シネマの録画にて劇場鑑賞以来の再観。デニス・ルヘインの同名ミステリー小説の映画化。マサチューセッツ州に流れる川が舞台になっている。

幼少期三人の悪ガキ、ジミー・マーカム(ショーン・ペン)、デイヴ・ボイル(ティム・ロビンス)、ショーン・ディバイン(ケビン・ベーコン)、ある日、警察を装った誘拐犯にデイヴが誘拐され4日監禁される事件が起こる。それから25年、ジミーの愛娘ケイティの遺体が発見され、担当刑事であるショーンはパワーズ刑事(ローレンス・フィッシュバーン)と捜査を開始する。デイヴは殺人事件のあった夜ケイティを見た、その夜妻のセレステに強盗に襲われたと血まみれで帰宅、黙秘する。ケイティには恋人のブレンダン(トム・グイリー)がおり、ラスベガス行きを約束していたことがわかるが、ショーンの調査で使われた拳銃は彼の父レイの物であることがわかり…。

幼少期のトラウマが現代の事件に絡み、重なる偶然が娘の犯人を探すジミーに勘違いを抱かせ悲劇が負の連鎖を引き起こしていく、ミスリードの使い方、あることがら新犯人は捕まるのだが、皮肉な結末を迎えていく。ショーン刑事の家庭の問題、すべての発端があの幼少期の事件にあるのだ。秀逸な脚本、アカデミー主演男優賞にショーンペン、助演男優賞をティム・ロビンスが受賞、イーストウッドのクールな視線に導かれた傑作。

ただ自分の記憶が間違っているのかもしれないが、これを劇場で観たときは犯人も曖昧でケビン・ベーコンの家族関係も全く明らかにされない不条理ミステリーで非常に不満を覚えた記憶があるのだが、今回の放送ではすべて解決されている。まるで狐に摘まれた気分なのだが、ネットで検索しても別バージョンなどなさそうだし、真実は闇の中だ。