[銀座カンカン娘] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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島耕二監督。中田晴康、山本嘉次郎脚本。三村明撮影。服部良一音楽。49年、東宝配給。


Amazon primeにて鑑賞。[ブギウギ]の関連で、笠置シヅ子が出ているので観てみたが、プログラム・ピクチャーなのに実に貴重で面白い音楽映画だ。
タイトル[銀座カンカン娘]とは戦後直後の銀座を根城にしていた売春婦パンパン・ガールに山本嘉次郎監督がカンカンに怒っているという意味の造語で、主演の高峰秀子も服部良一も知らなかったらしい。
 主題歌を高峰と笠置が分け合うように歌い。共演の灰田勝彦、岸井明も加えて、様々な組み合わせで劇中に登場する。

戦後の東京。2人の若い娘秋(高峰秀子)と春(笠置シヅ子)は、それぞれ画家と声楽家を目指していた。ある日、仕事を探しに出かけた秋、家主のおだい(浦辺粂子)から、犬を捨てるよう頼まれて、映画の撮影現場に出くわし、エキストラとして参加することになる。彼女たちは撮影現場で知り合った白井(岸井明)と手を組み、成功を夢見て銀座のバーで歌い始めるが、家主の新笑(古今亭志ん生(5代目)は追い立てを迫られ、彼女たちは奮闘、会社を首になった甥の武助(灰田勝彦)も加わり、銀座を回るが…。

笠置は服部良一が音楽を担当していることから、[ラッパと娘][東京ブギウギ][ジャングルブギ]を劇中で歌っており、貴重だ。特に[ジャングルブギ]を黒澤明監督の[酔いどれ天使]以外で見れるとは思わなかった。ラストでは5代目志ん生の落語で締められる。太っている白井役の岸井が家に入ると次々に物が壊れるというギャグも笑える。
 戦後4年、復興途上の東京郊外、そして銀座のオフィス街、小津安二郎の映画等で見られる風景が映像で確認できることも貴重。
 プログラム・ピクチャーであるので、ご都合主義の映画ではあるが楽しめ映画でお勧め!