[黄色いリボン] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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ジョン・フォード監督。フランク・S・ニュージェント、ローレンス・ストーリングス脚本。ウイントン・C・ホッグ撮影。リチャード・ヘイグマン音楽。49年、アメリカ映画。

スカパー、ザ・シネマの録画にて再観。ジョン・フォード監督、騎兵隊3部作の第2作。退役を6日後に控えた老騎兵隊長の最後の日々を描いた西部劇。

1876年。騎兵隊はカスターらが全滅。一斉蜂起したインディアン種族のために苦境に立たせられた。スタアク砦のブリトルス大尉(ジョン・ウェイン)は老齢のためあと6日で退役の身であったが、最後の奉公としてシャイアン族の掃蕩作戦を指揮することになる。亡き妻と息子の墓に別れを告げた大尉は、東部へ帰る隊長夫人(ミルドレッド・ナットウィック)とその姪オリヴィア(ジョン・ドリュウ)を護衛しつつ、タイリイ軍曹(ベン・ジョンソン)を先導として軍を進める。しかし、2婦人が出発すべき駅馬車の宿駅はすでに焼き払われ、任務は失敗。隊は帰隊、オリヴィアをめぐって、若 コーヒル中尉(ジョン・エイガア)とペネル少尉(ハリー・ケリイ2世)の間には恋のさや当てが始まっていたが、1千に余るインディアンに追尾されていることが分かると、個人の愛憎を捨てる。ブリトルスは渡河点にコーヒル中尉を残して砦に引き揚げた本隊は、早速ペネル少尉を長として河に引き返した。隊員から餞別の時計を贈られた大尉は、従卒クィンカノン(ヴィクター・マクラグレン)を振切ってひとりカリフォルニアに旅立つが…。

昔、観たときはもう少し感動したと思ったが、フォードの特徴でもたる男気こそ感じさせるもののガンファイトのシーンも少なく、面白くない。
 四種族が総力を上げてくるインディアンたちに退役したブリストルは敵の砦にまで乗り込み、旧交のある元老酋長と停戦を訴えるが、敵も指揮官は若者に代わっており、ままならない。世代交代に変わりつつある西部を重ねている。
 この映画、主人公が振り回される女性キャラに魅力がない、モーリン・オハラとか常連ではない女優が使われていて、黄色いリボンは騎兵隊では恋を指し、オリヴィアが首に付けており、アメリカ民謡を由来としている。主題歌は有名で劇中何回も登場歌われる。
 結局、フォードにありがちなブリストルという隊長は女性の護衛を優先、任務に失敗はするが、部下達を見殺しにはせずに退役後も戻って、様々に指揮して回るスーパー指揮官なのだ。亡き妻や息子に誓いを立てながら、八面六臂の活躍をするジョン・ウェインありきの典型的な西部劇と言っていい。
 アカデミー撮影賞を受賞した雄大なモニュメントバレーの風景、バッファローの大群、渡河作戦。見せ場の作り方はフォードらしく、上手いのだが、いつもの酒場の喧嘩も本作はウェインにやらせておらず、そこも残念な部分だ。それから、このザ・シネマの放送したフィルムが悪く、カラーも色褪せ、状態も良くない。ただこの映画何回か観たが、いい画質だったことがなく、保存状態も悪いのかもしれない。