[マトリックスレザレクションズ] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

ラナ・ウォシャウスキー監督・脚本・製作。アレクサンダル・ヘモン、ディヴィッド・ミッチェル脚本。ダニエル・マッサーセシ、ジョン・トール撮影。ジョニー・クリメック、トム・ティクヴァ音楽。21年、アメリカ映画。

スカパー、ムービー・プラスにて鑑賞。18年ぶりに制作されたシリーズ第4作。機械により再生されたネオはトーマス・A・アンダーソン(キアヌ・リーブス)として、現実世界ではゲームの[マトリックス3部作]のゲーム・デザイナーと信じ込まされており、幻覚に悩み、精神科のアナリスト(ニール・パトリック・ハリス)から青いピルを大量にもらい精神安定させている。ワーナーからは第4作を制作するように圧力がかかる。
 アンダーソンはがカフェでティファニーを名乗るトリニュティー(キャリー・アン・モス)と再会するが互いに真実の姿がわからない。
 ある少年から犯罪予告が入り、スマホにメッセージが入る。モーフィアス(ヤーヤ・アブドゥル=やマティーン2世)と再会、警官隊による銃撃戦、いつしかエージェント・スミス(ジョナサン・グロフ)も参加しおり、ナイオビ(ジェイダ・ピンケット・スミス)が現れ、アンダーソンを、仮想現実の世界に誘っていく…。

1999年に本シリーズの第一作の時は、[マトリックス]という仮想現実社会が斬新に思えたが、本作の模倣も多数、制作され、18年が経過すると、新しいものには感じなくなった。物語はそこそこ面白く、細部が前三作から繋がっている部分が多数挿入されており、三部作を観た後に鑑賞されることをお勧めする。

第一作で斬新と言われたスローのバリアを作り、弾丸が止められたり、カンフー紛いのアクションが本作でも登場するが、ネオが再生したぱかりで体調も戻りきっておらず、能力を完全には再現できない。あの黒いトレードマークの衣装もなく、そこにもどかしさを感じさせてしまう。また、18年も経過することで、キアヌとキャリーは老けてしまったし、
モーフィアスとこの映画のトレンドだったエージェント・スミスの配役変更にも違和感しか感じられなかった。

結局、このシリーズの核にはネオとトリニュティーの愛が根底にあり、複雑な作品世界とは対象的にシンプルであることは本作でも継続されてはいるが、もっと早くに続編を撮るべきであり、スタイリッシュでカッコ良かった[マトリックス]の世界観を再現できていない本作は歓迎すべき作品には感じなかった。