[劇場版SPY×FAMILY CODE:White( | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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片桐崇監督。大河内一楼脚本。遠藤達哉原作。浅野恭司総作画監督。嶋田和晃キャラクター・デザイン。(K)NOW-NAME:Makoto Miyazaki音楽。Official髭団dism主題歌。WIT STUDIO×Cloerworks制作。23年、東宝配給。

新宿TOHOシネマにて鑑賞。圧倒的な面白さ!お勧め。
アニメの劇場版としては1、2の完成度ではないだろうか
、その最大の功労者は天才、大河内一楼の脚本にある。TVシリーズのシリーズ構成を担当。その経験を最大に活かして、遠藤達哉が生み出した本作のキャラクターを完全に使い切っており、作品に全くの無駄がない。TVシリーズの[SPY×FAMILY]をご覧になってない方でもこれは大丈夫。大河内一楼は冒頭、長めアバンタイトルの間に登場人物を手際よく紹介する。父、ロイド・フォージャー(江口拓也)、コードネーム[黄昏]スパイ、母ヨル・フォージャー(早見沙織)、コードネーム[イバラ姫]殺し屋、娘アーニャ・フォージャー(種崎敦美)、人の心理を読める超能力者、ボンド・フォージャー(松田健一郎)、予知犬。ロイドはオペレーション・ストリクスをデズモンド殺害の任務を遂行するためにアーニャをイーデン校に送り込み、擬似家族を構成していることを手際よく説明、世界各国が水面下で情報戦を展開、西国(ウェスタリス)の情報局対東側(WISE)の敏感情報局員であることを伝える。その上で、シルビィア・ショーウッド(甲斐田裕子)から、オペレーションストリクスの担当変更を命じられてしまう。そこで、任務継続を交渉するためにアーニャの調理実習で星(ステラ)を獲得し、変更を止めるように計画する。ロイドは審査員長の校長の好物であるブリジス地方の伝統菓子(メレメレ)を作るべく、本場の味を経験するためにフォージャー家はブリジスへと家族旅行をする。だが、ヨルは謎のおんな、ロイドの後輩フィオナ・フロスト(佐倉綾音)との密会を会社で指摘された浮気と誤解するところから、物語が転がり始める。フォージャー家のメンバーは勿論、大河内は情報屋のフランキーやイーデン校のアーニャの同級生ダミアンやベッキー、ヨルの弟ユーリなどシリーズに登場する主要キャラクターを完璧に使い切っている。
 旅行中、列車の中でアーニャは怪しげなトランクケースを発見、その中にあるチョコレートを飲み込んでしまう。ところが、その中に世界平和を揺るがすマイクロ・フィルムが…。
 お菓子を体験する旅がいつの間にか世界を揺るがす、大活劇に発展していく。大河内のオリジナル脚本の観る側を一気に引き込むテンポとアイディアの面白さ。伏線の貼り方の秀逸さ、上手過ぎて、思わず膝を叩きたくなる。
 中盤、アーニャが七転八倒する[う○この世界]、ここはしばし大爆笑。そのまま、軍情報部の大佐スナイデル(銀河万丈)の乗る巨大飛行機で繰り広げられるスナイデルとロイド、刺客タイプF(武内俊輔)とヨルの大激闘、そして、アーニャの大奮闘。WITSTUDIO×Clover Worksの素晴らしい作画による大迫力のアクションスペクタクル場面は日本のアニメ力の水準の高さをまざまざと見せてくれる。
 そして、あの伏線が使われ、最後はやはり家族の絆。大河内節がうなる。監督の片桐崇はTVシリーズで助監督からの抜擢だが、卒なく脚本の面白さを伝えきっていた。
 主題歌の担当は最初のTVシリーズで主題歌を担当したoffical髭団dismと星野源。とにかく、これは是非劇場でご覧頂きたい。大スクリーンで観ないとあのクライマックスの大迫力が味わえないからだ。
 この冬、[マイゴジ]の次はこれ!絶対のお勧め!