[花の恋人たち] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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斎藤武市監督。吉屋信子[女の教室]。三木克己、長谷川公之脚本。山崎善弘撮影。小杉太一郎撮影。67年、日活配給。

スカパーチャンネルNECOにて鑑賞。このチャンネルは日活映画を放送してくれるので、これは貴重な放送。吉永小百合を中心に女医を目指すインターン七人の物語。

小百合の相手役である浜田光夫、十朱幸代、和泉雅子、山本陽子、華やかな女優たちの共演に、主題歌は吉永小百合が、エンディングは脇役で出演している舟木一夫が担当している。

京都女子医大のインターン学生である蝋山操(吉永小百合)、轟有為子(十朱幸代)、仁村藤穂(和泉雅子)、細谷和子(伊藤るり子)ら7人は仲良しグループで、未来の女医を目指して国家試験合格のために実習に勤しんでいた。中でも操と有為子は大学内で一、二を争う秀才で、学生にとって最高の名誉ともいえる「学長賞」を狙っていた。有為子が性格も明るく、家庭も裕福なのに対して、母つね(奈良岡朋子)が一人田舎の病院で勤務しているだけの操の家は貧しかった。早く女医になり、できることなら「学長賞」も獲って母を喜ばせたい、それが操の夢。こうして操と有為子が良きライバルとして切磋琢磨しながら「学長賞」のレポートを作成している頃、7人グループの何人かは年頃もあって次々に華やかなロマンスを展開していた。早々に結婚を決めた和子に続き、伊吹万千子(山本陽子)にも意中の人があったが、両親に反対され辛い思いをしていた。そんな万千子の心中を察した操らグループメンバーは一致団結し、万千子の両親を説得しようと試みるが…。
日活の青春物で女性達が主役、ライバルのふたりは吉岡(浜田光夫)に仄かない恋心を抱いている。おそらく原作はもっとそれぞれの葛藤があるのだろうが、日活の青春物というのも定番的な明るさが売りなので、少しずつ笑いを絡めながら、操の母が倒れ、全員が御見舞いに訪れ、女性の友情を描いて肩通りのエンディングを迎える。

本作は昭和43年の正月映画だったそうで、こうしたスターを売りにした商業映画が定番的に製作され配給され続いたのだから、TVがお茶の間に定着するまで、やはり娯楽の中心に映画があったことがわかる。