[フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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本多猪四郎監督・脚本。円谷英二特技監督。馬淵薫脚本。小泉一撮影、有川貞昌、富岡素敬特撮撮影。伊福部昭音楽。68年、東宝配給。


スカパー日本映画専門チャンネルの録画にて再観。東宝と米国のベネディクト・プロの提携で、製作された作品であり、設定は異なっているが、前年に公開された[フランケンシュタイン対地底怪獣]の続編でたり、ベースは[海彦山彦]、フランケンシュタインから細胞分裂したクローン、サンダとガイラの対決を描いている。

特に自衛隊の対怪獣兵器レーザー・メッサー車、メーサー殺獣光線車の登場が画期的で人気を博し、後の作品に影響を与えている。ウルトラシリーズで怪獣デザインを担当した成田亨デザインによるサンダとガイラの個性的なキャラクターが確立され、前作で人間が演じたフランケンシュタインより怖くリアルな怪物を作り出している。また、前作でボーエン博士を演じたニック・アダムスはスチュワート博士、そしてフランケンシュタインを飼育する戸上季子を演じた水野久美は戸川アケミと設定が変更されている。本作でガイラが人間を食べてしまうシーンは実にリアルでショッキング、トラウマになられた方も多いので。
 三浦半島に迫る嵐の夜、漁船が大ダコに襲われ沈没する。(後にウルトラQにスダールとして流用されている)タコに続いてフランケンシュタインのような怪物にやられたと生存者が証言する。噛み砕かれた衣服から海上保安庁はフランケンシュタイン研究の権威スチュワート博士に連絡する。
 彼は一年前にん研究所で育てられた富士で死んだフランケンシュタインの生き返りではという質問に海に住み、人間を食べることはあり得ないと見解を発表する。サンダと名付けられたフランケンシュタインをん世話した戸川アケミはサンダは素直でおとなしかったと否定する。しかし三浦半島付近では怪物による被害が続き、スチュワートとアケミは目撃報告から谷川岳に、間宮博士(佐原健二)は山中湖に向かい、漁船から海棲生物、山中では巨大な足跡が発見される。間宮が持ち帰った細胞組織はフランケンシュタインの物と判明する。その直後、羽田にフランケンシュタインが現れ女性職員が食べられる。怪物は太陽を避けるように海に戻る。スチュワート博士は、山と海に別々のフランケンシュタインの存在が想像、メーサー殺獣光線車により細胞組織の消滅を狙いL作戦が実行されるが、電死寸前、山から現れたフランシュタインが海のフランケンシュタインを連れ去った。山の方をサンダ、海の方をガイラと名付けられ両者の細胞は一致、フランケンシュタインのクローンであることが発表される。サンダはガイラを保護、湖に落ちかけたアケミを救い自ら負傷する。橋本陸将補(田崎潤)は徹底消滅されることを主張、スチュワートやアケミと対立し…。

まず前作同様、水野久美演じるヒロインの存在感。そして、フランケンシュタイン同士の戦い。海底火山の爆発による悲劇的な結末。[ゴジラ]シリーズとは違う怪獣映画の醍醐味を本多円谷のコンビは引き出していた。