山田洋次監督・脚本・原作。朝間義隆脚本。長沼六男、高羽哲夫撮影。山本直純、山本純ノ介音楽。95年、松竹配給。
スカパー衛星劇場にて鑑賞。シリーズ第48作。渥美清逝去につき、この時点での最終作。神戸大震災の直後の設定で寅次郎(渥美清)はそのボランティアで活躍、九州へ。
泉(後藤久美子)は津山で結婚すると満男(吉岡秀隆)に報告に来るが止めることもなく、泉は戻り、さくら(倍賞千恵子)と博(前田吟)は飛び出した息子を心配。満男は泉の結婚を邪魔して、母礼子(夏木マリ)はクレームを入れるが泉は戻る。失意の満男は奄美大島でリリー(浅丘ルリ子)と会い、一緒にいた寅次郎と再会する。
満男を嗜める寅にツッコミを入れるリリー。寅次郎にとっての美学とおんなの本音。ここは素晴らしい場面だ。満男はすぐに戻らず、心配になった泉は満男に会いに行き、海で告白を聞く。そして、帝釈天に戻った寅次郎とリリーは…。
さくらは二人の仲を取り持とうと懸命になり、一度はタクシーで奄美に戻るが…。
被災地に戻り映画は終わるが、実によくできている。もし渥美が亡くなられなければ、50作で二人を夫婦にして終わる予定だったそうだが、それをやらずに渥美が旅立ったことで、逆に寅次郎は日本人の心に永遠に残ることになったのではないだろうか。
このシリーズに相応しい最終作だった。
