[日本一の色男] | 力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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古澤憲吾監督。笠原良三脚本。小泉福造撮影。宮川泰、萩原哲晶音楽。63年、東宝配給。


スカパー日本映画専門チャンネルの録画にて鑑賞。『無責任シリーズ』を引き継ぐ『日本一の男』シリーズ第1作。これは抜群に面白い!


植木に光源氏を思わせる光等を演じさせ、化粧品のセールスを通じて、東宝が誇る美女たちを次々と夢中にさせ、その美女たちから絞り取った金の使用目的が最後にわかるという笠原良三の脚本がよく練り込まれた抜群の面白さ。しかも、結末が非常に珍しいパターン。このエンディングだけでも、クレージー映画の中では異色作と言っていい。


厳粛なる女学校の卒業式でツイストを踊り出した音楽教師の光等(植木等)は、即刻クビ。学校を飛び出た光はローズ化粧品のセールスマンにもぐりこみ、セールスNO1の金山丸子(団令子)に喰い下ってお得意を紹介しろと頼む。光の図々しさに呆れた丸子は自分が手古ずった女政治家の権田原コチ(京塚昌子)を紹介するが、光は見事三万円のセットで五万円頂戴し、その晩には女史が夫の権田原(ハナ肇)に薦めた二号の芸者雪桜(草笛光子)をも難なく攻略。翌日は雪桜の張り合っているバーのマダム春子(白川由美)の店に行き、彼女の本当のパトロン、大東生命の高取社長(由利徹)を聞き出しホステス達の化粧品代を支払わせた。高取がナオミ(浜美枝)というチャームスクールの生徒を可愛がっていると聞いた光は講師に化けて彼女に近づくが、ライバルのチェリー堂と契約を結んでいる校長の道江(淡路恵子)に見破られてしまった。だが、大東生命ビルの新築を知るや高取を訪ね、ビルの一部をチャームスクールにして道江を校長に、ナオミを副校長にと口説いた。高取は早速その気になり、ローズ化粧品との契約にも道江に文句のあろうはずがない。光が今までに稼いだ金は売上げの35%の収入八十五万円、今度の契約で三百十五万円、ご機嫌の道江からお礼にと百万円、しめて五百万円なり。ある日、道江の部屋に雪桜、春子、ナオミら、光に参っている連中を集め…,。


映画の内容に合わせて、豪華な女優陣が植木を追っかけて大騒動。笑うるし、痛快に展開。歌もミュージカル仕立てで『無責任一代男』など代表曲も歌われている。


ロケ地だが、他の作品にも登場したが、東京オリンピックの前後ということで国立競技場でのロケをはじめ、日比谷公園、神宮外苑、ホテル・ニュージャパン、旧羽田空港など、その時代の東京を見れる部分は貴重。


古澤憲吾。『ニッポン無責任時代』。