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ニコラス・ウィンディング・レフン監督・脚本。ラリースミス撮影。クリス・マルティネス音楽。13年、デンマーク・フランス合作。


2014年1月25日新宿バルト9他にて公開。[ドライヴ]で高い評価を受けたニコラス・ウィンディング・レフン監督の新作。DVDにて鑑賞。


タイを舞台に描かれる。バイオレンス・アクション。台詞は極力削られ、エキゾチックで雰囲気の中でタランティーノばりのバイオレンスが展開する。それは、チャン=ヴィタヤ・バンスリンガム演じる冷酷非情な元警官チャンの圧倒的な存在感により、主役のライアン・ゴズリングを食ってしまっている。長刀を振り回し、神と呼ばれる強さを持っているがあり得ない。これにはヨーロッパのアジアに対する多大なる妄想と憧れを観て取れる。ジム・ジャームッシュが撮った[ゴースト・ドック]にもそれは感じられたが、あちらは映画が面白いからいいが、本作はさっぱり。


ジュリアン(ライアン・ゴズリング)は、ある犯罪でアメリカを追われ、今はタイのバンコクでボクシング・クラブを経営。裏では麻薬の密売に関わっていた。そんなある日、兄のビリー(トム・バーク)が、16歳の売春婦を殺した罪で惨殺される。犯罪組織を仕切る母のクリスタル(クリスティン・スコット・トーマス)は、溺愛する息子の死を聞きアメリカやって来る。怒りのあまりジュリアンに復讐を命じるのだった。しかし、復讐を果たそうとするジュリアンたちの前に、元警官で今は裏社会を取り仕切っている謎の男チャン(ヴィタヤ・パンスリンガム)が立ちはだかり…。


兄を溺愛する母と次男の確執というテーマが内包され、クリスティン・スコット・トーマスはいい演技をしているのだが、如何せん脚本が薄く、あまりにドラマが描かれていないこともあり、説得力を感じない。

そして肝心のチャンとジュリアンの対決場面が全く、面白味がない。カンヌでも賛否両論で否定意見が勝ったそうだが、この映画は残念ながら、明らかにツマラナイ。すごく感じるのはニコラス・ウィンディング・レフンに限らず、近年注目される若手監督は、才能が続かない人が多過ぎる。


DVDはレンタル中。


ニコラス・ウィンディング・レフン。[ドライヴ]等。