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 はじめに

 こんにちは。こんばんは。おはようございますの方もいらっしゃると思います。理系の達人です。

 現在、私の著書(参考書・問題集)が発売中です。私がどのような指導をしてるのかのご参考になると思いますので、一度手に取って頂ければ幸いです。内容は小6の9月以降を想定した内容になっておりますが、最難関校を目標とする1学期の小6生でも解ける内容になっています。実際の入試の落とせない問題の難易度を知っておくには最適だと自負しております。一度手に取ってみて頂ければ幸いです。

 

 

 全国の超難関校で繰り返し出題されてる平面図形の問題の考え方を自ら使いこなせることを目的とした問題集です。超難関校対策とありますが、あらゆる受験生に必要な考え方が掲載されており全ての受験生が必要とする問題や情報が書かれた問題集となっております。解説部分は無機質な解説でなく、講師が前に立って授業をしているかのような感覚になることを目指して作成しているので、その問題の取り組み方や問題の背景、そして解説の際にしゃべることなども書かれております。一問一問を深く掘り下げて解説をしていますので、類題が出題された場合でも対応することが可能になります。

 

 今回は、2023年2月1日実施 開成中の大問4の解説になります

 

 

2023年度 開成中 大問4 

 

 2023年2月1日実施された開成中の算数の入試問題において、気になった問題といえる大問4の解説を掲載致します。

 

 2023年度の開成中の算数の所感についてはこちら ☞ 2023年度 開成中 算数 所感

 

 

2023年度 開成中 大問4 問題

 最近の開成中の入試問題は非受験学年でも解けるような問題が非常に多い印象です。思考力を普段から養っている小6受験生や非受験学年の方でも解くことが出来ます。ただし、入試を想定した解答時間は5分というところです。

 

 

 感想としては、問題を1枚にまとめれば良いのではないかと思いますが、出題者の意図としては問題の下に試行錯誤の様子を書いて欲しいとのことなのかもしれませんが、解説の通り『ダイヤグラム』を用いるのが早いということもあり、ここに数え上げたりする様子を書くのはNGです。問題全体を読んだ瞬間に方針に気付くくらいに問題をやり込んでいる必要があります。

 

 

 

2023年度 開成中 大問4 解答解説

 

解答解説について

 

 これは私の1学期に扱っているプリントに類題があります。突き詰めていくと、カードシャッフルの問題に近い問題です。思考力問題に分類されますが、いままで学習した問題の中にヒントが隠されていた問題でした。個人的は好きな問題です。この問題が合否を大きく左右したと予想します。また、円の周りを周回して、出会ったら向きを変える出題は様々な学校で出題されています。

 

 問題全体を見てみると、(4)で99回目とあるので、これは規則性かなと方針を立てたいところです。おそらく(1)~(3)は誘導になっているなと気付ければ合格でしょう。では、(1)をどう料理していこうかという部分になりますが、数えてしまっても勿論いいですが、そうするとこの先の問題が大分しんどくなりそうな予感…。(4)は出会う回数を聞かれてることから、『規則性』の問題であることが推測出来ることより、1周期を求めてしまえば手っ取り早く解けそうと感じて欲しいところです。

 出会う=速さ=ダイヤグラム

というポイントに気付ければ初手はオッケーです。通常では、円を周る問題はダイヤグラムは向いていませんがこの問題はダイヤグラムを書かないと解けない問題です。とりあえず、問題の指定の通り6秒後までをダイヤグラムにしてみることです。そこから(1)の答えが求まります。ここでのポイントは中学受験だけではなく、算数・数学の考え方の基本である、

 前問の結果をいかに活用するか

ということに突きます。これは本当に大事です。

 

 その読み通り、(2)は(3)以降の問題を解くための誘導になっています。ここでは、1周期を聞いてきています。するとよく考えてみると、(1)のダイヤグラムより、6秒ごとに

 点P A→C→E→A

 点Q C→E→A→A

 点R E→A→C→A

と繰り返し円周上に到達することに気付いてしまえば、1周期が18秒とわかります。これで(3)以降の挑戦権が発生したことになります。つまり、カードの入れ替えの問題と同じということになります。

 

 (3)(2)より1周期が18秒というのがわかっているので、100秒後が5周期…10秒とわかるので、ダイヤグラムでは2周期目となるので、6秒後の各点の位置は、

 点P→C、点Q→E、点R→A

にいることがわかりダイヤグラムより追っていくことで答えまで辿り着きます。置き換えて考えることが大切です。日頃より、思考過程を書く訓練をしていればケアレスミスなどなくやり過ごせる問題でした。

 

 (4)もせっかく規則性なのでここは99回目ではなくて、2023回目でもいいのになーと感じました。せっかくなので西暦問題も入れておきたいところでした。ただ、どちらの数値でもあ手間はあんまり変わりません。1周期18秒で点Pと点Rは4回出会うことをダイヤグラムより読み取ることが出来れば解けたようなものです。

 

 

 

  来年度以降の開成中 算数の対策について

 

 ここまで簡単で平均点が高くなってしまうと、来年は難易度が上がるのは目に見えています。開成に進学した方の話では開成の定期試験は数学が易しい問題で、国語が難しい問題とないるみたいです。定期試験の問題が入試問題に表れるのは当然のことです。しかし、今年の入試問題はあまりにも簡単すぎました。対策としては今まで通りで良いでしょう。昔のような適切な難易度の出題に変わっても文句は言えません。

 

 1学期に典型問題を一通り定着をさせて、夏休みからそこから一段上の問題や他校の思考力系の問題に挑戦をする。そして、2学期の志望校対策に繋げていくことにつきます。勿論。日頃より開成が求めている要求に答えられる訓練が必要です。

 

 合わせて、1学期からの思考力演習が必要なのも事実です。立体図形は様々な問題の経験を積み、数論問題は思考力中心に流していくことが大切です。また、開成受験生になるとボーダーラインを大きく超えた存在の受験生もいますがそれは本当に上位5%もいません。言われたことを鵜呑みにせずに自分のツメを研いでいくことが大切です。

 

 

最後に

 

 今年度の開成中は合格者が419人(倍率2.8倍)と昨年と同様の合格者人数で推移しています。しかし、受験生が増えたことで倍率は上がっています。そして、今年も合格者数は圧倒的にサピックスでした。ですから、サピックスでやった問題がしっかりこなせていることが開成の合格が一番の近道になります。

 

 今年度の算数はやや違った方向にベクトルが向いているような問題でした。来年以降の軌道修正を強く望みます。もちろん、そうなることを踏まえて対策を行う必要があるのは今まで通りでしょう。また、開成は年度によって難易度が大きく変動する安定しない入試が続いています。確実に合格するというのがない学校というのはいままでの通りです。

 

 最後に、入試を塾だけでは乗り切れるのはごく一部の超優秀生だけです。つまり、塾任せにするのではなく、必ず 保護者の方がサポートをする必要があるというのが中学受験で成功するための秘訣です。もちろん、間違った方向導かないことも保護者の大きな役目になります。

 

 そして、合格する御家庭は必ず何かしらの手を打っています。これは絶対に他人には漏らしません。保護者の方自身で模索するしかないのです。御子様が頑張っている中で保護者の方も裏方に徹しないといけません。御子様以上に保護者の方も頑張らなくてはなりません。つまり、合格するのは塾の力などではなく、御家庭の力なのです。私などはただのきっかけにしか過ぎません。

 

 今後も2023年度の入試問題の所感と解説は随時アップしていく予定です。ご期待下さい。

 

 今後は難関中の算数や理科の出題傾向や過去問の解説(これはアメンバー限定にすると思います)やおすすめの参考書や問題集などの記事も出していこうと考えております。無言申請は受け付けませんのでご了承下さい。

 

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著者紹介

 

 中学・高校・大学受験に精通したプロ家庭教師(算数・数学・理科)。大手進学塾時代は高い合格率を残しておりその合格率は85%を超える高い合格率を残してきた。合格率1位になることもあり、講師アンケートにおいても1位を獲得するなど高い評価を得る。その傍らで、志望校別コースの算数科目責任者を歴任し、テキスト作成や模試作成なども行っていた。高校入試においても大手塾在籍時には早慶高校附属の合格率が92%という高い数字を残している。算数、理科どちらの科目でも優秀な結果を出していた。

 

 家庭教師においては90%以上の高い志望校合格率を誇り、どこの学校にも対応出来る講師。難関校入試に特に強く筑駒、開成、麻布、駒東、聖光、栄光、桜蔭、女子学院、雙葉、フェリスなどに関しては極めて高い成績を残しています。勿論、それ以外の学校の対策も万全に行えます。

 

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